コナミがタカラ株を全株売却、資本提携を解消。

2005/04/25 14:51 Written by コ○助

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2000年7月に、経営不振に陥っていたタカラの第三者割当増資を引き受け、タカラの発行済み株式の22.2%を保有する筆頭株主となったコナミなりが、全株を売却して資本提携を解消することを発表したなり。売却額は110億円で、コナミは61億円の売却益を得た模様。1999年9月中間決算で136億円の最終赤字に転落したタカラの救済という意味合いが強かったコナミとの資本提携は、わずか5年でピリオドを打つことになったなりね。

資本提携解消の大きな理由は、両社の方針が真っ向から対立してしまい、互いに歩み寄ることができなかったため。昨年あたりから、積極的な事業拡大を推し進めて売上高・収益増を目指すタカラと、本業に集中して固く収益増を目指したいコナミが対立しているとの噂が流れていたなりよ。

客観的な事実として、2000年7月前後にタカラが推し進めてきた拡大路線の産物を簡単にまとめておくと。

2000年 エポックらと共同でアニメ制作会社の「日本アニメディア」を設立
2000年 無線操縦玩具(ラジコン)メーカーの「太陽工業」に出資
2000年 携帯電話コンテンツ開発の「インデックス」に出資
2000年 CG制作の「ビジュアルサイエンス研究所」に出資
2001年 移動体向け衛星デジタル放送サービス「モバイル放送」に出資
2002年 電気自動車の「チョロQモーターズ」を設立
2002年 番組制作の「タカラモバイルエンタテインメント」を設立
2002年 玩具メーカーの「海洋堂」と業務提携
2002年 電熱器メーカーの「日本電熱」を買収
2002年 教育機器開発の「東芝ティー・ディー・エデュケーション」に出資
2003年 「ガロ」などのマンガ版権管理を行う「青林堂ビジュアル」を買収
2003年 コンテンツ開発の「ブロッコリー」を買収
2003年 「女神転生」などのゲーム開発の「アトラス」を買収
2004年 新機軸の玩具開発研究を行う「タカラインデックス ラボ」を設立
2004年 デザイン制作の「ウォーターデザインスコープ」を設立
2004年 洋凧やローラー付きシューズの「安治川鉄工」を買収

こうした積極的な投資活動はタカラの売上高の大幅拡大に貢献したものの、収益面はなかなか改善しなかったなりよ。中にはわずか2年で撤退してしまった「チョロQモーターズ」のような例もあり、決して投資に見合っただけのバックを得ているわけでは無いなりね。こうしたタカラの拡大路線に、コナミが反発した結果が今回の全株売却、資本提携解消という事態に繋がってしまったわけなり。

気になるのは筆頭株主が抜けてしまったタカラの今後なりが、すでに数社から、タカラの拡大路線を支持しながら経営再建を助けるとの条件で打診があるというなりよ。まだ発表できる段では無いようなりが、それはひょっとすると1月にタカラの大株主になった村上ファンドなのかもしれないし、全く別の企業かもしれないし。玩具大手のタカラの行く末に注目しておきたいところなり。

(17:00 追記)
どうやらコナミの保有していた株式はすべてインデックスが取得、筆頭株主になったようなり。(ITmedia

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