4月5日に映画やアニメ、ニュースなどのコンテンツ視聴料が無料のブロードバンド放送「GyaO」をスタートさせたUSEN（旧有線ブロードネットワークス）なりが、コンテンツの整備を急ぐべく、ナムコ傘下の老舗映画会社「日活」の買収に動き始めたようなりよ。日活は1993年に会社更生法の適用を申請して倒産。経営再建を進める中、1997年にナムコが30億円を出資して子会社化し、見事に経営再建を果たしていたなりね。ナムコとUSENの両社はすでに協議に入っており、5月末の合意を目指すというなり。

日活は1912年に創業され、1960年代前半には石原裕次郎、吉永小百合、赤木圭一郎、小林旭などなど、キラ星の如くスターを生み続けた老舗。「にっかつロマンポルノ」に代表される成人映画や、ナムコ傘下に入ってから制作された映画作品を合わせると、約7,000本もの映画資産を保有していると言われているなりね。USENは日活を買収することで、この豊富な映画資産をブロードバンド放送などに利用したい考えのようなり。

USENは今回買収する日活のほかに、昨年9月には音楽大手のエイベックスの筆頭株主となり、資本・業務提携を結んだほか、10月には洋画配給大手のギャガ・コミュニケーションズを子会社化しており、ブロードバンド放送用のコンテンツを拡充しているなりね。子会社化したからといって、すべての保有作品をインターネットで配信できるわけでは無いなりが、参考までにギャガと日活が制作や配給をした最近の話題作をチェックしておくと。
［ギャガ・コミュニケーションズ］
・Shall we Dance？（監督：ピーター・チェルソム　主演：リチャード・ギア）
・エターナルサンシャイン（監督：ミッシェル・ゴンドリー　主演：ジム・キャリー）
・オペラ座の怪人（監督：ジョエル・シューマカー）
・華氏911（監督：マイケル・ムーア）
・キル・ビル（監督：クエンティン・タランティーノ）
・ロッカーズ（監督：陣内孝則）
・コンフェッション（監督：ジョージ・クルーニー）
・シカゴ（監督：ロブ・マーシャル）
・ボウリング・フォー・コロンバイン（監督：マイケル・ムーア）
・少林サッカー（監督：チャウ・シンチー）

［日活］
・いぬのえいが（監督：犬童一心ほか）
・インストール（監督：片岡K　主演：上戸彩）
・レディ・ジョーカー（監督：平山秀幸　主演：渡哲也）
・10ミニッツオールダー　人生のメビウス（監督：ヴィム・ヴェンダースほか）
・10ミニッツオールダー　イデアの森（監督：ジャン＝リュック・ゴダールほか）
・呪怨（監督：清水崇　主演：奥菜恵）
・呪怨2（監督：清水崇　主演：酒井法子）
・仄暗い水の底から（監督：中田秀夫　主演：黒木瞳）
・チョコレート（監督：マーク・フォスター　主演：ハル・ベリー）
・日本の黒い夏−冤罪−（監督：熊井啓　主演：中井貴一）
・カリスマ（監督：黒沢清　主演：役所広司）
・ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ（監督：ヴィム・ヴェンダース）
・ポネット（監督：ジャック・ドワイヨン）

挙げたらキリが無いなりが、大手の2社だけに大作系から単館系の作品まで幅広いラインアップとなっているなり。この中の一部がブロードバンド放送として配信されるだけでも、十分魅力的なりね。

インターネットの動画配信に関してはYahoo!をはじめ、大手のポータルサイトは積極的にコンテンツの整備に乗り出しているなりが、日活買収が完了すればUSENはほかの事業者に一歩リード、といった感じなりか。エイベックス、ギャガ、日活。なかなか豪華なラインアップなり。こうした豊富な資産をUSENが上手く活用して、魅力あるサービスを展開して欲しいなりね。