ガールスカウト・クッキーが原因で警察沙汰。

2005/03/11 13:03 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ウォール真木の長女が小学校に通うようになったころ、ある日ガールスカウトへの招待状が届きました。あー、娘ももうこんな事に参加出来る年頃になったんだなぁと、一瞬感銘にひたった母なワタクシ(笑)。

しかしそこでふと考え込んだのです。ガールスカウトって実際どんな団体だったっけ?知っている限りでは、カーキ色の制服で赤いバンダナしてて、みんなでキャンプに行ったり、ボランティア活動をしたり……だったような。そして小さいころに愛読していた「ピーナッツ・コミックス」には、たしかクッキーを売り歩いているガールスカウトの女の子が登場してきた記憶があります。あのクッキーって一体何なのでしょう(笑)。確かに今でもガールスカウト・クッキーは存在しておりまして、毎年近所の小学生とかが玄関に注文を取りに来ます。でも、なぜにクッキー?

とはいえアメリカに来てから15年目のウォール真木。今更人にも聞けない。仕方が無いのでガールスカウトの由来と、そのクッキーを売り歩く活動についてネットで調べてみました。

ガールスカウトとは、1908年にイギリスの元軍人、ベーデン・パウエルが始めたボーイスカウトにならい、パウエルの妹アグネスが1910年に発足させた団体が元となっています。健全で社会に貢献する女性の育成を目的として、今では144の国と地域が加盟している世界的な団体なのだそうで、そのメンバー数は1,000万人を超えるとか。

ガールスカウトの構成は、「テンダーフット」(キンダーガーテン)、「ブラウニー」(小学校低学年)、「ジュニア」(小学校高学年)、「シニア」(中学生)、そして「レンジャー」(高校生)と年齢によって別れており、リーダーは地域の大人(自分の子供がスカウトのメンバーになっているお母さんなど)がボランティアで務めています。

さてガールスカウト・クッキーですが、これは彼女たちが活動資金を集めるために、戸別販売しているものです。なんでも自分たちの活動に使うだけでなく、チャリティーなどの寄付金にもこの売上金を当てているのだとか。このクッキー、最初はわざわざ手作りだったそうですが、今では企業がパッケージ品を提供して、少女たちが事前に注文を集めてその後品を届ける……という形に変わっています。

ニューヨークに住んでいるグレース・マリー・ルイスちゃん(13才)も、そんなガールスカウトのメンバーとしてクッキーを売りさばいていた一人。自分の所属しているグループがこの夏、ハワイかヨーロッパでの研修旅行に行けるように、一生懸命クッキーの注文書を手に近所を回ったそうです。その結果、彼女はなんと一個人で600箱ものクッキーの注文をゲットしたとか。お父さんも娘のそんなひたむきな努力に感動して多少なりとも手助けをしてあげたくなったのだそうです。

そこでお父さんのホイさんは、ある日自宅の前の歩道にテーブルを持ち出し、届いたクッキーを並べ、グレースちゃんが迅速に近所中にデリバリ出来るようにセットアップしてあげました。ところが、突然パトカーが現れホイさんを見付けると、公道で許可なく物品の販売をしているとして罰金を課してしまったのだそうです。単に娘の手伝いをしているだけだと説明しても、警察耳を貸さず……。

グレースちゃんが所属している地元ガールスカウトの団体は、この一件が裁判になった場合、ホイさんを弁護するために証人として法廷に立つと言っているそうです。

しかし社会貢献を胸に一生懸命がんばる娘と、その彼女を思う父親にはちょっとむごい対応ですわねぇ……。

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