「楽天の地域密着」に疑問の声、地元からは不満も。

2005/03/02 11:37 Written by コ○助

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昨年のプロ野球参入騒動の中で、楽天が声高に叫んでいた「地域密着」という言葉。プロ野球空白域の東北に球団を新設し、東北に根差した、東北に愛される球団を目指して球団運営をしていくという高い理想を掲げて参入したなりが、どうも当初イメージしていたことと、実際に出来ることとの間にギャップが生じており、地元からは早くも不満の声が出ているというなりよ。

河北新報によると、3月1日に行われた仙台市議会の本会議で、超党派の市議で組織する「スポーツ市議の会」の柳橋邦彦会長から市民の声を代弁するかたちで地元の不満が紹介されたなりね。どのような不満が出ているのかを列挙してみると。

・各種料金が高額で地元企業が利用できない
・大手企業を多用していて、地元資源が生かされていない
・観客に地元の物産を売り込む機会を与えてもらえない

と、大きく分けて3つの不満が存在しているというなり。選手と地元ファンの交流に関してはその姿勢を評価した上で、という話なりが、こういった面で楽天に対して疑問の声が上がっているというなりよ。確かに当初は楽天の参入が仙台を中心とする東北経済に大きな潤いを与えてくれるという期待感があったなりよね。ところがフタを開けてみれば、球場内の看板広告料金は高すぎて地元企業では出稿しづらく、マスコット・キャラクターは使用制限が厳しくて使いづらく、といった具合に地元企業にとっては「応援したくてもできない」という状況になっているようなり。

もちろん楽天も慈善事業ではないので、収益を確保するためにある程度現実的な判断をするのは当然のこと。でも、今となってみれば最初に少し大きな理想を掲げすぎていた感はあるので、地元から、特に地元企業から不満が出てくるのは致し方ないことなりか。

ちなみに、楽天はこれまでいくつか「地域密着」をイメージした案件を実行に移しているなりが、簡単にどのようなものがあったのかを振り返っておくと。

・地元の女性を中心にしたチアリーディングチームを発足
→応募総数が68人と、期待していたほど集まらず(31人が合格)

・地元の球団ボランティアスタッフを募集
→2月末日時点で目標の半数以下程度しか集まらず

・家族でピクニック気分を味わえる本拠地球場作り
→衛生面などの問題から飲食物の持参は禁止が決まり、弁当などの持ち込みは不可能に

こんな具合に、やはり楽天としても理想を追うだけでは厳しいという判断をせざるを得ない状況になっているなりね。まあすべてが試行錯誤しながらの船出となるのはあらかじめ分かっていたことなので、その辺は楽天も織り込み済みだったとは思うなりが。

まだまだ楽天の挑戦は始まったばかり。いろいろな方策で収益面が安定してくれば地元に還元できるような仕組みを作っていくかもしれないし、じっくりと時間をかけて地元との強固な結びつきを持った球団に育っていくと良いなりね。

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