プロ野球ファンにとってはすっかりおなじみの、「マスコット界のカリスマ」こと通称「Aさん（30歳代の男性）」。横浜に所属していた「Aさん」は、昨季までは土日や人気のカード限定で、黒いユニフォームにサングラスというワイルドな格好の「ブラックホッシー」として華麗な動きを披露していたなりね。その動きのキレは、カリスマと呼ばれるだけあって、12球団随一。横浜ファンならずとも「ブラックホッシー」のパフォーマンスには注目している人も多かったなりが、どうやら楽天が「Aさん」を引き抜き、来季からは楽天のマスコット「クラッチ」か「クラッチーナ」、もしくは新キャラクターとして登場することになったようなりよ。

基本的には日陰の存在であるマスコットの中に入っている人が、なぜ「Aさん」という呼び名で有名になったのかといえば、もともとは阪神のマスコットの「トラッキー」として阪神ファンからの熱い支持を受けていたから。以前はお飾り的な雰囲気だったマスコットが、「Aさん」の「トラッキー」の登場によってイメージがガラリと変わったなりよ。アクロバティックなバック転や選手との陽気な絡みなどなど、とにかく存在感溢れるマスコットに大変身したなりね。

ところが、派手なパフォーマンスは多くのファンを魅了したものの、一部のお堅いファンから球団に「ホームランを打った選手をプロレス技で出迎えたりするのは、子供の教育上よくない」との批判が届き、球団は「Aさん」を突如解雇することに。この球団の対応にはファンも失望し、有志が「私達のトラッキーを返して！」というサイトを立ち上げ、署名活動などを展開するほどの事態に発展したなりが、残念ながら阪神に「Aさん」が戻ってくることは無かったなりね。

阪神を退団後に横浜へと移った「Aさん」は、前述の「ブラックホッシー」として突然デビュー。当初は「Aさん」であることが伏せられていたため、「『ブラックホッシー』の動きはタダ者では無い」「ひょっとしたら『ブラックホッシー』と『トラッキー』は同一人物なのでは？」といった憶測を呼んでいたこともあるなり。それほど、ほかのマスコットに比べて図抜けたパフォーマンスを披露してくれる人なりよ、「Aさん」は。

今回の楽天への移籍について「Aさん」は相当悩んだようなりが、決め手となったのは1年間通してマスコットとして活躍できる要件を楽天が満たしていたからだというなり。まあ、確かに横浜の「ブラックホッシー」は脇キャラ。あくまでも期間限定で登場するマスコットなりからね。通年でやりたいという気持ちを抱くのは、当然のことなりか。

横浜ファンにしてみれば残念な話ではあるなりが、新球団の新マスコットで心機一転。楽天の試合で「Aさん」の華麗なパフォーマンスを見かけたら、「『トラッキー』や『ブラックホッシー』の中に入っていた人だ」と思い出してみて下さいなり。きっと、あまりの動きの良さに、ビックリすること間違いなしなりね（笑）。