特許訴訟でジャストシステムが敗訴、「一太郎」に廃棄命令。

2005/02/02 08:02 Written by コ○助

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2月10日に新しいバージョンの「一太郎2005」の発売を控えているジャストシステムなりが、松下電器産業(原告)との間で係争中だった特許をめぐる裁判が東京地方裁判所で行われ、判決が下されたなり。判決は松下電器産業の主張をほぼ認める内容で、ジャストシステムの特許侵害を認め、ワープロソフトの「一太郎」とグラフィックソフトの「花子」の製造、販売の差し止めと、在庫製品の廃棄を命じるという衝撃的なもの。「一太郎」はジャストシステムの売上の約4割を支える主力商品だけに、この判決を不服としてただちに控訴を決定。徹底的に争う構えを見せているなりね。

そもそも、この特許訴訟はどのようなものなのか。各紙の記事を読んでもなかなか分かりにくいなりが、判決文に従うと「『アイコンの機能説明をさせる第1のアイコン』をクリックしてから第2のアイコンをクリックすると、第2のアイコンの機能説明をしてくれる処理に関する特許」をめぐる裁判だというなり。

インプレスの記事には「今回の訴訟の焦点は、バルーンヘルプを表示するきっかけとなるマウスマークの表示が、アイコンであるか否かということが争点となっていた。今回はアイコンと判断されたことで、松下電器が持つ特許(特許番号2803236)を侵害するというもの」とあり、どうやらアイコンそのものも特許侵害として争われていたようなりね。

ただ、今回の判決を下した高部真規子裁判長は、少しユニークな判決を下すことで有名な人物。過去にどのような判決を下したことがあるのか、いくつか事例を見ておくと。

・東京急行電鉄が俳優の高知東急(たかち・のぼる)を相手に「東急」の文字を含んだ芸名を使用しないよう求める訴訟で、「東急グループが長い間かけて築いた名声・信用に対価を払うことなく、『東急』を芸名に使って有名になろうとすることは許されない」と東急電鉄の言い分を全面的に認める。

・世界的に著名なファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」の発行元などが、マンション「ラヴォーグ南青山」を分譲した不動産会社を相手に、同誌のロゴと似たアルファベットやカタカナ交じりの標章の使用差止めなどを求めた訴訟で、「雑誌と関係があると誤信させるもので、不正競争防止法違反に当たる」と原告の言い分を全面的に認める。

・国際的なタイヤメーカーで、レストランガイドでも知られるフランスの「ミシュラン」社が東京・新宿区の弁当販売会社「ミシユラン」とその経営者を相手に、商号の使用禁止と損害賠償を求めた訴訟で、「ミシユランの商号を使うことは、営業上お互いが密接な関係にあるものと誤解させる行為で不正競争防止法に違反する」とミシュランの言い分を全面的に認める。

といった具合なので、もちろん、今後最高裁まで争えば判決が逆転する可能性は十分にありそうなりか。ジャストシステム製品のユーザーは多いだけに、今回の裁判の結果がもたらす影響は大きいなりよね。今後の裁判の行方には注目しておきたいところなり。ちなみに「一太郎2005」は予定通り販売されるようなので、最新版の「一太郎」の購入を検討していた人は、問題なく購入できるのでご安心を。

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