現代版「ロミオとジュリエット」はイタリアの老夫婦。

2005/01/23 14:04 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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ああ、ロミオ。ロミオ。貴方はどうしてロミオなの。シェィクスピアの名作「ロミオとジュリエット」の中の有名な一節ですね。もう説明する必要もないくらい有名なこのお話。でも、このストーリーの舞台となったイタリアの街の名前を、すらりと答えられる人は少ないのでは?

それはヴェロナ。イタリア北部に位置しておりミランとベニス(ベネティア)のちょうど真ん中あたりでにある都市です。で、このヴェロナからさらに60キロほど南下したポー河のほとりに、パドゥアというもうひとつの街があるのですが、ここで最近、まるで「現代版ロミオとジュリエット」のような事が起こったのだそうです。

ロメオ役はエットーレ氏という70代のおじいさん。彼の奥さんのロサーナさんは、4ヶ月前に心臓発作で倒れてしまい、それ以来ずっと意識不明の状態だったそうです。長年連れ添った相方がこんなに姿になってしまい、回復の見込みも判らないなんて。毎日のようにベッドの脇でうなだれるエットーレさんに、周りもどう慰めの言葉をかけて良いやら……。そしてあまりにも気落ちした彼は、もうこの世に未練はないとばかり、とうとう自宅のガレージで車の排気ガス吸い込み、自ら命を絶ってしまいました。

ところがエットーレさんが亡くなった4時間後、病院で目覚めたのはジュリエットならぬ、奥様のロサーナさん。そう、奇跡的に意識が戻ったのです。しかしタイミング的にまるで「ロミオとジュリエット」のエンディング。ロミオが最愛の女性が死んでしまったと勘違いの悲観をして、命を絶つというアレですよ。

ロサーナさんが最初に言ったのは、エットーレはどこ?だったとかで、なんと痛ましいことか……。せっかく何ヶ月ぶりに意識が回復したのに、喜ぶ間もなく旦那さんの身に何が起こったのかを知った時の彼女の心情は、本当に計り知れません。ショックだったろうなぁ(涙)。

エットーレさんのご冥福をお祈りいたします。うううう。

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