小銭で1,830万相当盗まれる。

2005/01/16 14:47 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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日本で中央銀行と言えば、言わずと知れた日本銀行。銀行の銀行として、いわゆる金融政策というのを実施し、物価の安定やら通貨価値の維持やら、まあ金融経済の安定などを図るのが目的です。と、いわれてもいまいちピンと来ませんが(笑)。そんな場合、身近なところでは私達がいつも手にしているお金。あれを発行しているところって事でご理解願います。

で、この中央銀行の役割を担っているのが、こちらアメリカでは邦準備制度理事会(FRB)の傘下にある連邦準備銀行という機関です。日本銀行のように1か所じゃなく、アメリカ中の12ロケーションに散在しており、ここセントルイスの街にも、分厚い壁と鉄格子の重装備な建物をドーンとかまえております。

この個々の地区連銀では紙幣やコインの発行もしておりまして、その作られたお金をその地下大金庫に流通させるまで、または他の地区連銀に輸送するまで、大切に保管されているそうです。

さて昨年の暮れのこと。ニューヨーク連銀の支局のひとつ、ニュージャージー州のイースト・ルーサードから作られたばかりのニッケル貨幣、180,000ドル(日本円で1,30万円)分がダラス連銀管轄の建物まで輸送されることになりました。トラック詰めにされたそれは量にして900袋分、重さにして23トンもあったとか……。

ちなみにニッケルというのは、アメリカの5セントコインのことで、他にも1セントがペニー、10セントがダイム、25セントがクォーターと呼ばれています、普通の日本人の感覚ではコインの金額が上がるとそれだけ、貨幣の物理的なサイズも大きくなる……と思いますよね。でもアメリカでは何故か、10セントコインのダイムがニッケルより小さいのが特徴です。

話を元に戻しますが、この小銭満杯のトラック。なんと輸送途中で忽然と姿を消してしまい、数日後に空の状態で発見されたのだとか。このトラックを運転していたメンドーザさんという男性も、その後行方しれずで消息もわからないそう。FBIは彼が強盗等の事件に巻き込まれた可能性もあるとして、早速捜査に乗り出したのです。

しかし3,600,000個分のコインのみが忽然と消えてしまうなんて前代未聞のこと。実際盗まれたとして、とてもじゃないが隠し切れる量じゃないんじゃ? と不謹慎ながら犯人側に同情してしまいます(笑)。大体、使うのにも一苦労です……。銀行で紙幣に交換しようにも疑われるだろうし、ちまちまと使うしかないですねー、これは。

何はともあれ、メンドーザさんの安否が気になります。どうかご無事で……。

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