昨年もシリーズモノが堅調なヒットを飛ばした全米の映画業界。「シュレック2」や「スパイダーマン2」、「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」などなど、いずれ劣らぬ大作が順調に興行成績を伸ばしていたなりよね。映画業界全体としても相当潤ったようで、その興行収入は2002年に記録した93億1,700万ドル(約9,690億円)を上回り、94億ドル(約9,776億円)に到達。過去最高の興行収入を記録したというなり。
参考までに2004年の全米興行収入ベスト10を振り返っておくと。
1位 「
シュレック2」(CGアニメ)
2位 「
スパイダーマン2」(トビー・マグワイア主演)
3位 「
パッション」(メル・ギブソン監督作品)
4位 「
Mr.インクレディブル」(CGアニメ。公開中)
5位 「
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」(人気シリーズ続編)
6位 「
デイ・アフター・トゥモロー」(ローランド・エメリッヒ監督作品)
7位 「
ボーン・スプレマシー」(マット・デイモン主演。2月11日公開)
8位 「
シャーク・テイル」(CGアニメ。春休み公開)
9位 「
ナショナル・トレジャー」(ニコラ・ケイジ主演。3月19日公開)
10位 「
アイ ロボット」(ウィル・スミス主演)
ざっと見ると、「パッション」以外は実に「アメリカ! ハリウッド!」といった感じのランキングなりね(笑)。日本では比較的地味な扱いの作品でも上位に食い込んでいうのがなかなか興味深いところ。
ただ、伸びる興行収入とは裏腹に気になるデータもあるようで、観客動員数は年々減少しているというなりよ。劇場に足を運ばなくとも、DVDを家で見れば良いという人が増加していることなどが要因として考えられるなりが、観客が減っているのに、興行収入が伸びているのはどういうこと? と思ったら、どうやらこれはチケット代が値上げされたことが理由だったなりね。まあ値上がりしたとはいえ、チケットの平均価格は6.25ドル(約650円)と、日本の3分の1程度。毎度のぼやきなりが、日本のチケット代は高すぎるなりよねぇ。
昨年はチケット代値上げの恩恵を受けたとはいえ、観客動員が伸びないことには一時的なバブルでしか無いのは明白。アメリカの映画ファンを劇場に向かわせるような、魅力的な作品が次々と現れることに期待したいものなり。まあ、続編モノやリメイクモノばかりの状況が続くのであれば、それも難しそうな気もするなりが……。