ソニーにとっては大きな転換となるMP3への対応発表後、ようやく日本でも投入されたMP3の再生ができるHDDウォークマン「NW-HD3」。「iPod」に魅力を感じながらも、ソニーの動向が気になっていた人にとっては待望の新製品なりが、果たして「iPod」にすぐ対抗できるだけの製品なのか気になるところなりよね。ソニーは下手なものを作らない……と信じながらも、最近はややブランド力も落ち、投入する製品も不発に終わっているものが多いので若干不安があるのは確か。いったいどのような製品に仕上がっているのか、ITmediaに詳細なレビュー記事が出ていたので見ておくことにするなり。

「iPod miniと同様に金属の質感を前面に押し出したボディは高級感があり、右手に持つと親指が十字キー、人差し指が音量調節ボタンにかかる形になり操作しやすい」
「iPodに搭載されているホイールのようなインタフェースを持たないため、大量の項目を素早く操作することは苦手だが、操作する上で不満を感じるほどではない」
「PCからの楽曲転送には添付されているSonicStage 2.3を利用する」
「（MP3対応によって転送）速度は従来に比べ最大で30倍という高速化を実現している」
「NW-HD3はiPod miniに見劣りしないコンパクトサイズながら、HDD容量が20Gバイトある点も魅力の一つ」

「iPod」のホイールの操作感はなにやら魔力めいたものがあるので、あの心地よさと比べたら「NW-HD3」の操作感が劣るのは仕方がないなりが、それでもレスポンスも良く、使い勝手は決して悪くないようなり。金属の質感があるボディというのも、個人的にはかなり良いなぁ、と思う点。手にした時のひんやり感が良いなりよねぇ。

MP3対応によって転送速度が向上したというのは、従来はMP3ファイルを転送する場合には一旦ATRAC3/ATRAC3plusにエンコードした上での転送だったために無駄な時間を要していたなりが、「NW-HD3」はMP3ファイルを直で転送できるようになったため、飛躍的に転送速度がアップしたというわけなり。ほかのメーカーの製品では当たり前のように実現されていたことが、やっとソニーの製品でも実現されたという感じなりね。

価格が42,000円前後と、「iPod」や「iPod mini」と比べると万単位で高いのが不安ではあるなりが、大きさは「iPod mini」程度ということなので、その大きさに20GBのHDDという点に魅力を感じることができれば、選択肢に入れるのも良いのではないかと。いずれにしても、ソニーがMP3に対応したのは歓迎するべき流れ。すでにMP3の資産をたくさん持っているという人も多いだろうし、「NW-HD3」がこの分野におけるソニーの巻き返しの第一歩となると良いなりね。これからも魅力的な製品をどんどん投入して欲しいものなり。