死刑囚の犬、恩赦を受けて釈放。

2004/10/16 12:32 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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イギリス人って本当に動物好き。何かのジョークで「イギリス人は自分の子供より、ペットの犬が大事」みたいな言葉があったんですが、それもあながち嘘じゃないかもしれません。

今はそんなことも無いかも知れませんが、なにせ一昔前では上流階級の家庭の子供は、さっさと寄宿舎つきの学校に送り込まれ、屋敷の中では、主人の横で暖炉にあたってノホホンとしているのは、飼い犬や猫…なんて事が多かったそうですし。

まあそれは冗談としても、動物愛護の活動が盛んなのは本当です。アニマル・ライツ(動物の権利保障)をスローガンに掲げて有名なイギリス生まれの企業と言えば、日本でもお馴染みのナチュラル化粧品を扱う The Body Shop。化粧品開発に利用する動物実験を反対し続けている会社です。

The Body Shop は本国英国で1998年に制定された、動物実験禁止法の実現にも一役かったんだそう。この法律は今ではイギリスのみならず、ヨーロッパ全体に広がりつつあるそうです。

話が多少それましたが、そんな「動物愛護」先進国のイギリスで、この度1匹の犬の命が救われました。ディーノと言う名のジャーマン・シェパードは数年前他の犬と喧嘩になり、それを止めようとした相手の飼い主の手も噛み付いてしまったのです。裁判所はこの事件に対しディーノの「処分」を決定。それ以来、ディーノの飼い主であるブライアン・ラモンさんは数百万円にも及ぶ弁護士費用を費やして、ペットを救おうとしていたのです。

そしてこの一件は、イギリス上等裁判所、さらにフランスはストラスブールにある欧州人権裁判所にまで持ち込まれ、とうとう先日最終判決が出ました。裁判官の判断は「無罪放免」。

「数年前人に噛み付いてからは、その後は人間に対して従順であるディーノは、今後も凶暴である可能性は低いであろう」と言うのが判決の理由だそうで、この結果にはイギリス世論も喜んでいるだろうとの事です。

まあ何はともあれ、愛情深いラモンさんの手によって救われたディーノ君。今後も幸せに暮らしてほしいものです。

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