酷評される映画「デビルマン」。

2004/10/12 13:49 Written by コ○助

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(※これから「デビルマン」を観ようと思っている人は読まないほうが良いかもしれないので、ご注意を)

日本マンガ界の不朽の名作であり、永井豪の傑作である「デビルマン」。その映画化とあって古くからの「デビルマン」ファンに加え、特撮映画ファンや一般の映画ファンを巻き込んで製作発表の頃から実写化に対する不安と期待が高まっていた映画版の「デビルマン」なりが、10月9日に公開された「デビルマン」に対する評価は惨憺たるもの。「日本の特撮のレベルだから……」という言葉では片づけられないような、厳しい評価が容赦なく下されているなりね。

例えば、映画のデータベース&ユーザーレビューの数では定評のあるYahoo! ムービーを見てみると。10月12日午後1時現在、ユーザー採点の平均点は5点満点中1.5点。Yahoo! ムービーのユーザーレビューはIDを変えれば何件でも書き込みができてしまうというシステム上の不備があるため、評価点が若干操作されてしまうことがあるのは確かなりが、通常の作品よりも多い700件以上の書き込みで、この得点なので、あながち間違った評価では無いと思われるなり。コメントの中には「開始10分で失望」「演技、脚本、映像、全てが最低最悪」「演技下手すぎ」などなど、キツイ言葉が並んでいるなり。すべてを鵜呑みにする必要は無いなりが、ここまで厳しい評価が下されている作品も珍しいなりねぇ。

ユーザーレビューだけだと「集団で悪意ある書き込みをしている人たちがいるに違いない」と思う人もいると思うなりが、10月8日の毎日新聞夕刊に掲載された映画評もかなり辛辣なりよ。

「まずは冒頭から、画面に漂うそこはかとない安っぽさに驚く」
「そして次に衝撃を受けるのは、若手俳優たちが薄っぺらい声で棒読みするセリフのむなしさ。演技指導をする時間がなかったのだろうか、とすら思わせる状態のまま物語は進行していく」
「この映画を見た後では、『キャシャーン』のうっとうしいほどの青臭さが好もしく思えた」
「あの名作が、と思うと腹立たしいだけでは収まるまい」

辛過ぎ(笑)。逆にどんな作品に仕上がっているのか気になっては来るなりが……。読売新聞にも映画評が出ているので、見ておくと。

「(CGの)充実に比べ、俳優が演じる実写部分は物足りない。誇張した演技も、CGの誇張には及ばなかったようだ」

と、役者の演技に疑問を投げかけているなり。ついでなので朝日新聞の映画評も見ておくと。

「映画を見て目につくのは、役者陣の迫力不足。明役の伊崎央登(ひさと)と、カギを握る親友・飛鳥了役の伊崎右典(ゆうすけ)は共に、重いドラマを支えるには線が細い」
「だがそれにしても、紙とペンだけであれだけの衝撃を与えた原作の、なんと偉大なことか」

と、この映画評の最後は皮肉めいた一文で締めくくられているなりね(笑)。

演技に難アリ。すべての映画評がその点を指摘しているなりが、Yahoo! ムービーに間が悪く(?)伊崎央登のインタビュー記事が出ているなりよ。

「撮影までの準備期間が1年ぐらいあって、僕が明を演じることは撮影の1か月前ぐらいに決まりました」
「映画は初めてだったので、なにもかもが新鮮かつ大変でした。撮影が去年の11月から12月の終わりまでで、その間に年明けそうそうにライブもあって。ライブの後に追加撮影もやりましたからね。でも達成感は大きかったですよ」
「FLAMEの中で演技に挑戦するのは僕が一番最後だったんですよ。他のメンバーが演技で大変そうにしているのを見ていたけど、『自分もいつかやってみたい』っていう気持ちはずっとありましたね」

本人としては演技自体が初挑戦だったということで、かなり頑張って達成感も得たようなりが、要はちゃんとした演技指導をしてやれなかった監督以下のスタッフに問題があると言わざるを得ないなりよね。ここまで酷評が並んでしまうと、伊崎央登が少し不憫にも感じるなり。

ちなみに、「デビルマン」の監督は那須博之監督。「ビー・バップ・ハイスクール」シリーズや吉田栄作主演の問題作「代打教師 秋葉、真剣です!」、モーニング娘。主演の「ピンチランナー」などの監督のようなり。なるほど、過去の作品から「デビルマン」の出来も推して知るべしといった感じなりね……。

逆の意味で興味が湧いてきた映画版の「デビルマン」。皆さんも後々語り草になるであろう「デビルマン」を、公開中にぜひ観てみてはいかがなりか?(笑)。

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