養子縁組ならぬ、養「爺」縁組求む。

2004/08/31 13:22 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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もう、タイトルそのままです(笑)。

イタリアはミラノ郊外にお住まいの、ジョルジオ・アンジェロッジさん、79才。彼は10年ほど前に奥さんに先立たれ、その後は猫7匹と生活していたとか…。

訪ねてくれる友人や家族もなく、寂しい思いは募るばかり。そんなジョルジオさんはある日、新聞に広告を出します。

「定年退職後の元教師、グランパとして縁組してくれる家族求む。生活費払います」

この短い新聞広告、家族というユニットをとても大切に敬うイタリア人の心に見事クリティカルヒット。予想以上の反響で、実際ジョルジオさんを引き取りたいと申し出た家族も多かったそうです。ジョルジオさんはきっと近い内に、新しい家庭で楽しく暮らせるのではないでしょうか。よかった、よかった。

どうやらハッピーエンドで終わりそうなこのニュース。しかし同時に、現在イタリアの社会を浮き彫りにしています。何世代もが一緒に生活する、大きな家族…と言うのがトラディッショナルなイタリアなら、近年は核家族化が進んで一人暮らしのお年寄りが増えているそうです。

昨年の夏の猛暑ではなんと4000人以上の高齢者が適切なケアを受けられず、お亡くなりに…。

ジョルジオさんも新聞のインタビューで語っています。

「これは私個人の事ではあるが、同時に他の高齢者の人達にも影響するであろう問題です」

ジョルジオさんの新聞広告が、今後多くのイタリア人に高齢者支援や福祉のあり方を考えさせる良いきっかけになれば、彼も嬉しいのではないでしょうか。

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