宮崎駿監督の「ハウルの動く城」、ヴェネチア映画祭に出品。

2004/07/30 06:08 Written by コ○助

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本来ならちょうど今ごろ、夏休み映画の超本命として興行収入記録を打ち立てるようなヒットを記録していたであろう「ハウルの動く城」なりが、「製作状況に若干遅延があること」と「上映時間が『千と千尋の神隠し』と比較して多少長くなりそう」との理由から、公開が今秋(11月20日)に延期されたなりよね。この延期発表があったのは今年1月のこと。ジブリ側は「夏の公開には絶対に間に合わせる」と配給の東宝側に掛け合ったようなりが、万が一製作が遅延した場合にかき入れ時の夏に配給する作品を失う可能性があるという東宝側の都合で、公開が延期された経緯があるなり。まあ東宝としても上映時間が長く、回転率の悪い作品を夏に公開するよりは、中間期の秋から年末にかけて公開した方が得策という判断が働いたのかもしれないなりね。

「ハウルの動く城」は、国内の興行収入記録を塗り替え、ベルリン国際映画祭金熊賞&アカデミー賞長編アニメ賞を受賞した「千と千尋の神隠し」以来、久しぶりの宮崎駿監督の新作ということで否応なしに期待は高まっているなりが、国内の公開前の9月1日に開幕となる第61回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に出品されることが正式に発表されたなり。映画祭のメインであるコンペ部門に日本のアニメが出品されるのは初めてのこと。もちろん、ベルリン国際映画祭の金熊賞を「千と千尋の神隠し」がさらったように、三大映画祭のひとつであるヴェネチア国際映画祭の金獅子賞を「ハウルの動く城」が受賞するようなことになれば、歴史的な快挙となるなりね。

では、簡単に「ハウルの動く城」と共に金獅子賞を競うことになるコンペ部門出品作品を見ていくことにするなり。
・侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督「珈琲時光」(一青窈、浅野忠信)(日本)
・賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督「世界」(日中合作)
・ヴィム・ヴェンダース監督「Land of Plenty」(ドイツ)
・ジョナサン グレイザー監督「Birth」(ニコール・キッドマン)(アメリカ)
・林權澤(イム・グォンテク)監督「Ha-ryu-in-saeng」(韓国)
・マイク・リー監督「Vera Drake」(イギリス)
・ミーラー・ナイール監督「Vanity Fair」(アメリカ)
・ミケーレ・プラチド監督「Ovunque sei」(イタリア)
・トッド・ソロンズ監督「Palindromes」(アメリカ)
・ジャンニ・アメリオ監督「Le chiavi di casa」(イタリア、フランス、ギリシャ合作)
・アレハンドロ・アメナバール監督「Mar adentro」(スペイン)
・クレール・ドニ監督「L'intrus」(フランス)
・アルノー・デプレシャン監督「Rois et reine」(フランス)
・アモス・ギタイ監督「Promised Land」(イスラエル、フランス合作)

あと数作品あるなりが、監督名から検索をかけてもサッパリ分からない人たちだったので、ご勘弁を。さすがにヴェネチア国際映画祭は芸術性の高い作品が多いこともあって、映画好きな人でしか知らないような名前がズラリと並んでいるなりね。日本的に注目なのは「ハウルの動く城」もそうなりが、もう一本の日本映画「珈琲時光」。小津安二郎監督の生誕100年を記念して製作された作品で、世界的巨匠の侯孝賢監督が小津監督へのオマージュを込めた作品なり。内容は「東京を舞台に、女性の日常を映し出す中で、人との交流を描く」というものなので、どこら辺が小津監督へのオマージュなのかは定かではないなりが、興味深い作品ではあるなりね。

派手な作品は無いなりが、実力派揃いの今年のヴェネチア国際映画祭のコンペ部門。「ハウルの動く城」と共に、他の作品にもぜひ注目してみてくださいなり。

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