「人間」を描き続ける五十嵐匠監督インタビュー。

2004/06/15 07:25 Written by コ○助

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戦場カメラマンの一ノ瀬泰造をテーマに、浅野忠信主演で描いた映画「地雷を踏んだらサヨウナラ」のヒットで脚光を浴びるようになった五十嵐監督なりが、一ノ瀬泰造をもともと知っていた人にも、知らなかった人にも絶賛を受けていたなりよね。コ○助にとって五十嵐監督は「ドキュメンタリー映画の監督」というイメージしか無かったので、「地雷を踏んだらサヨウナラ」を観て劇映画もやるのかと、少々驚いたのをよく覚えているなり。

コ○助が初めて五十嵐監督の作品を観たのは、大学生の頃。新宿のミニシアターでのレイトショーで上映されていたドキュメンタリー映画「SAWADA」だったと思うなり。今でこそドキュメンタリー映画も興行的にヒットするケースがいくつか見られるようになったなりが、当時はまだまだドキュメンタリー映画が興行的に成り立つとは考えにくかった頃。たった7〜8年くらい前の話なりが、それでもドキュメンタリー映画を取り巻く状況はずいぶんと変わってきたと思うなり。「SAWADA」も恐らく興行的にはそれほど期待されていなかったためにレイトショーという扱いだったと思われるなりが、実際に映画館に来ていたお客さんの数も、それほど多くなかったなりね。

「SAWADA」はピューリッツァー賞カメラマンの沢田教一を追ったドキュメンタリー映画。コ○助は当時、沢田教一の名前と、ベトナム戦争のときに撮られたかの有名な「安全への逃避」と題された一枚の写真を見たことがあったくらいで、あまり深くは認知していなかったなりよ。きっと、それで余計に「SAWADA」を観てみたくなって映画館に足を運んだのだと思うなりが、なぜ沢田教一がカメラマンを目指し、なぜ戦場へと赴いたのか、という流れを「SAWADA」で把握することができたなりね。基本的にこの作品には制作側の感情的な部分はあまり込められておらず、淡々と事実を追うといった感じの作品だった(ように記憶している)なりが、それでも十分に作品として成立するくらいのボリュームがあったと思うなり。コ○助の印象としては沢田教一と一ノ瀬泰造という、同じ戦場カメラマンを題材にしているものの、「SAWADA」と「地雷を踏んだらサヨウナラ」は正反対の作品なのかな、と。

そんな作品を撮る五十嵐監督がどのような人なのか、かねがね興味があったなりが、読売新聞にインタビュー記事を発見。なかなか興味深いロングインタビューなので、ご紹介しておくことにするなり。
「自分が好きな実在の人物を描いていきたいんです。僕のアンテナに引っかかってくるのは、やりたいことに向かって疾走していくような、そんな人生を送った人」
「僕の映画が、自分の生について考えたり、何かしら行動を起こしたりするきっかけになってくれたら嬉しいですね」
「監督って、いくらワンマンに見えても、実は創らせてもらっている立場なんです。周りの人が盛り立ててくれるからこそやっていける」
「(次回作の芸術家・田中一村をテーマにした「アダン」では)一村の人生をただなぞるのではなく、命の輝きや疾走感のある生き方といったものを表現していきたいな、と思っています」

興味ある人はぜひぜひ。

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