芝刈り機で交通違反。

2004/05/22 00:44 Written by Maki K Wall@駐米特派員

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アメリカの家の庭は芝生が基本。まあ、花壇とかもチョコチョコっとありますが、日本庭園のように池を作ってみたり、石を配置してみたり、ワビだのサビだの感じてみたり…ってのはあまりあり得ません。

ただ、ひたすら青い芝。

んで、この芝生の管理は普通お父さんのお仕事です。週末ともなれば一家の家長が汗水垂らして、芝刈り機で庭を行ったり来たり…。芝生用の栄養剤をまいたり、雑草を駆除したり、芝が薄くなってしまったところには(これは一部のお父さんには自分の頭皮の状態と重なって辛いらしいが)種をまいたり、とこれがかなり重労働なんですよね。

それでも芝生の世話に一生懸命なのは、どうやらアメリカ人の気質らしいです。家と言うものをめちゃくちゃ大切にする彼らは、庭の芝生も大切な存在。しかも、そのお家の外見の美しさを決定すると言っても過言ではない芝生です。隣の家の芝よりより美しい芝生を!と競争心を駆り立てられるお父さん達も多いらしい…。

で、そんな感じですからアメリカには芝生専用器具もたくさん揃っています。ホームセンターに足を運べば、大きなセクションで芝刈り機がズラリと並んでいたり。普通の手で押して刈るガソリン(又は電気)で稼動するタイプの他に、小型のトラクターの様な『運転』する芝刈り機までございます。これが一般家庭で使われているんだから、驚きです(汗)。

ところで、この『乗るタイプ』の芝刈り機はアメリカの交通法(もちろん州によって法律は異なりますが、ほとんどの地域で)では、motor vehicle すなわち『自動車』や『バイク』と同等のモノに分類されているのです。ってことは公共道路では運転免許がなければ運転できませんし、飲酒運転なんてもってのほか…。

セントルイスから郊外の、イリノイ州はフェアビュー・ハイツにお住まいのポール・シュワルツトラウバー Jr.氏。それを知ってか知らずか、先日一才になる娘さんをひざに乗せて芝刈り機で近所をお散歩することに。ま、ここまでならまだ微笑ましいパパと娘のひと時って感じですが。

問題はポールさん、酔っ払いのほろ酔い気分でこれをしちゃったのです。しかも免許証は以前の交通違反で取り上げられており、今は合法では運転できない状態。近所からの通報で駆けつけたおまわりさんの「止まれ」命令をも無視して延々と芝刈り機で娘とのドライブを楽しんだんですが、そこはあまりスピードが出ない芝刈り機の悲しい性、歩いて追いかけてきたポリスマンが手を伸ばしエンジンを止められてしまい、その場で逮捕されてしまったそうな…。

なんとも間抜けなお話ですが、ポールさんは今留置所の中で、反省していることかと。

話は芝生ケアに戻りますが、我が家のダンナも芝生にはウルサイ男。毎朝会社に行く前に家のまわりを、ぐるりと一周し愛しの『マイ・芝生』をチェックするのが日課です。そんな彼、どうやら最近『乗るタイプ芝刈り機』が欲しくて欲しくてどうしようもないようで。どうも『男のロマン』を感じているらしく、ホームセンターでも芝刈り機売り場で「じぃ〜」っと足を動かさない…。

でも、私に絶対ダメ!といわれるのは判っているので「買っても良い?」と言葉には出せないようですね。

当たり前だ。ぜぇったいにダメだかんね。

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