北海道でエゾシカバーガー開発 「安定流通の第一歩に」

2004/05/17 04:39 Written by コジマ

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16日にコ○助が、モスバーガーのカツオ・パティを使用した「KATSUO」の話題に触れたけど、今度は北海道からエゾシカの肉を使った「エゾシカバーガー」が開発されたというニュースなのだ。開発したのは、北海道阿寒町議らと釧路全日空ホテル。町議らは「鹿肉普及の第一歩になれば」と話している。

欧州で高級食材とされている鹿肉は、わが国の食卓では一般的ではないけど、明治時代には食肉として普及していたそうなのだ。エゾシカは角や毛皮にも商品価値があるために乱獲され、個体数が激減。1884〜1901年、1921〜1950年代半ばに禁猟とされていたんだけど、肉の流通経路が確保されていないため商品価値が下がり、今度は個体数が激増しまくっているのだ。

増えすぎたエゾシカは食料に困って牧草や農作物を荒らすようになる。北海道では野生のエゾシカを捕獲して育てる「エゾシカ牧場」などをつくって対応しているそうだけど、農作物などの被害は年間30〜40億円にものぼり、エゾマツの樹皮をはぐことなどもあって、年間約3万頭が駆除される「害獣」に指定されてしまったのだ。

この駆除されている3万頭分の肉を有効に使うため、前出の町議たちが頭を絞って考えたのが、エゾシカバーガーなのだ。味はエスニック風などの3種類で、共同開発した釧路全日空ではレストランメニューに検討中だそう。8月には阿寒湖畔のホテルで試験販売するそうで、開発した町議は「(エゾシカバーガーを足がかりに)あと10年かかっても家庭の食卓に鹿肉が並ぶようにしたい」と語っている。保護獣が一瞬にして害獣になったという、人間の都合で評価が変わってしまうエゾシカには気の毒だけど、現実的に、この計画が成功すれば一石二鳥であることは間違いない。町議さんたちの奮闘に期待するのだ。

余談だけど、以前、ドラマ「北の国から」で有名な料理店「くまげら」(北海道富良野市)でエゾシカの生姜焼きや鍋を食べたのだ。それまで鹿肉には、いくら煮たり焼いたりしても生臭いというイメージがあったのだけれど、ここの肉はまったく臭くなく、やわらかくてとても食べやすかったのだ(まあ、お値段もそれなりに張ったのですが、熊肉と比べると安かったのだ。たしか熊肉は3切れで3000円くらいしたような…。4人で注文したぼくらは凍りつきました(笑))。あんなに旨い鹿肉なら日常的に、しかも安価で食べたいと思うのが当たり前。解体処理施設や衛生基準の不備などで安定流通への道のりは遠いそうだけど、是非とも毎日の食卓に並ぶようになってほしいのだ。

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