ヤクルト元スカウト告白「由伸は60億円で巨人に強奪された」。

2004/04/09 15:03 Written by コ○助

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東京六大学のスターから巨人にドラフト1位で入団。1年目から6年連続でゴールデングラブ賞に輝くなど、間違いなく球界を代表する選手である高橋由伸外野手。昨年までの打撃成績も、通算742試合に出場し、打率.305、150本塁打、453打点と、「打って良し、守って良し」と非の打ち所がない選手に成長している。

そんな巨人の生え抜きスター選手の高橋由選手だが、ドラフトに指名される直前、本当に直前まで、希望球団は「ヤクルト」と言われていた。逆指名が発表されるまでは、どの球団を指名するかについてはマスコミ各社が独自の取材や憶測で記事を書くものだが、どこのマスコミも「高橋由伸はヤクルト入り濃厚」と報じていたのだ。当時、最終的に逆指名候補として挙がっていた球団名はヤクルト、西武、そして巨人。当初は中日、広島、日本ハムを除く9球団が獲得に動くといわれていたが、最後まで積極的に動いていたのはこの3球団だった。

ドラフト前に伝わってきた話では、西武には慶応大学時代の先輩で、高橋由選手と仲の悪かった高木大成選手が在籍していたために、この線は消滅。また、巨人も「伸び伸びプレーすることができない」との理由で断る可能性が高い、と。そして残ったのが六大学野球リーグでも愛着のある神宮球場を本拠地に置くヤクルト、という見方が大勢を占めていた。

ところが、ふたを開けてみると、高橋由選手が逆指名したのは巨人。しかも逆指名会見の場では高橋由選手の顔に笑顔はなく、なにか苦渋に満ちた表情だったことから、様々な憶測を呼ぶことになった。なぜ、高橋由選手は巨人を逆指名したのか。ずっと語りぐさになっている「噂」は、父親が経営する不動産会社が火の車で、その会社の借金を読売が肩代わりすることを条件に、自分の気持ちを曲げて巨人の逆指名に至ったのではないか、と。もちろん、この「噂」には確証はないが、古くからドラフトには表向きの契約金以外の大金が動くことは知られており、誰もが「巨人なら有り得る」と納得してしまったのも事実。きっと将来に渡って明かされることは無いだろうが、野球ファンの間では、そういうストーリーが出来上がっていた。

さて、実は今週発売の週刊文春に、「球界激震『高橋由伸は六十億円で巨人に強奪された』」という記事が出ている。これまで「噂」でしかなかった高橋由選手の巨人入団までの経緯を、ヤクルトの「元大物スカウト」である片岡宏雄氏が告白した内容だ。片岡氏はヤクルトのスカウトとして尾花高夫投手、池山隆寛内野手、広沢克己内野手、伊東昭光投手、古田敦也捕手らを獲得した豪腕スカウトで、当時、高橋由選手獲得にも動いていたのだとか。獲得競争に負けた側の告白なので、やはり真相までは分からないが、より核心に近いところに迫っていると言えそうだ。

「あとから聞いた話だが、巨人は由伸の親父さんを攻めていた。長嶋さんが直接、電話を掛けたりしていたという」
「フジテレビに由伸の引退後の面倒を見てやってくれと頼みに行ったりした」
「(慶応大学の)後藤監督が言ったのだ『実は由伸の親父のほうで土地が焦げついてて、それをクリアしてくれるところはないですかね』」
「焦げつき? 聞けば、それは何千だか何万だかという坪数で、坪単価を調べて掛け合わせると、驚くべきことに六十億にもなってしまう」
「(逆指名に)一番驚いていたのは巨人のスカウトだったという」

巨人側のスカウトの暴露話でも出てこない限り、恐らくこの話題は未来永劫、ずっと「噂」のままだろう。でも、高橋由選手のみならず、ドラフトの裏では相当な金額が動いているということは、公然の秘密。なぜ、巨人やダイエーに有力選手が集まるのか。そんな理由も漠然と見えてくるかもしれない。

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