深海よりの使者?透きとおったタコ迷い出る。

2004/03/26 20:32 Written by

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たった体長3センチの生き物の話なのだが、こういう話題には飛びついてしまうのである。ときおりニュースになる、ふだん滅多に見られない深海の生物の目撃、発見の話。ダイオウイカやリュウグウノツカイなど、大きかったり派手めな見た目のものもいいのだけれども、小さくてもじゅうぶん心がおどってしまうのである。

静岡県沼津市の沿岸に現れたのは、イイジマフクロダコ。深海にすむ透明なタコで、今回地元のダイビングインストラクターの栗原さんが撮影に成功したのは1月中旬、深さ1メートルほどのところを漂っていた体長3センチほどの若い固体とのこと。過去には調査船が深海で網を引いた際に見つかったことがあるくらいらしくて、沿岸の浅い地域で見られるのはまれなことらしいのである。

このような写真が撮れたときにはいつも聞かれるコメントながら、今回もご多分に漏れず。軟体動物学が専門の、東京海洋大の土屋光太郎助教授によると、このタコの生態はほとんど知られておらず、「海中の生きた姿をとらえた写真は、おそらく世界初」とのことである。

この小さなイイジマフクロダコ、成長すると体長20センチを超えるらしい。それでも普通のタコに比べると腕は短く、泳ぐ力が弱いので、クラゲのように漂っているそうな。そうな、っていってもなんか調子っぱずれであるが。そして透明な体は、背景に溶け込んで身を守るのに役立っているとのことである。

こんなタコ、自宅に大きな水槽でも置いて飼うことができたら、さぞかし極上の癒しになるであろう。とはいってもすぐに死んでしまいそうなので、逆効果になりそうだが。海にほど近いところに住んでおきながら最近は海と縁が薄い生活の私サクラ。この夏はいつもよりも海と親しむ機会を多く作って、透明なタコでも漂ってないかと目を凝らしてみようかと思うのである。でもその前に、まずはスーパーでシラスを買ってきて、ちっちゃなタコやイカでも探そう。

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