フジテレビの深夜30分ドラマが復活。

2004/03/14 06:45 Written by コ○助

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今でこそ深夜にドラマ枠を設け、若手の演出家や脚本家の育成に努めている局は多いなりが、フジテレビは結構早い段階から深夜ドラマを仕掛けていたなりよね。しかも実験的な作品が多かったのも特徴なり。

例えば松雪泰子がデビューした1991年に主演として抜擢された「BANANACHIPS LOVE(バナナチップス・ラブ)」。まだ無名の松雪泰子も初々しかったなりが、何よりもこのドラマが話題になったのは当時鬼才クリエイターとして神の如き崇められていた高城剛氏が演出&プロデュースを担当していたこと、そして深夜番組なのにオール・ニューヨークロケを敢行したことなどなど。今となっては伝説的な番組といっても過言ではないなりね。コ○助も当時まだ中学生だったなりが、眠いのを我慢して毎週欠かさず見ていたなりよ。ストーリー自体は突然関係ないカットが飛び込んできたり、登場人物の描き方が分かりづらかったりと、恐らくコ○助自信も全然分かっていないのだと思うなりが、実に雰囲気の良いドラマだったなりね。この番組で、初めて雰囲気を楽しむドラマというのに出会ったような気がするなり。え? ちょっと間違ってる?(笑)。

ほかに印象深いのは、坂井真紀主演のロンドンロケモノである「90日間トテナムパブ」(1992年)。「BANANACHIPS LOVE」の後番組としてスタートしたので、路線としては同じような海外ロケドラマだったなりが、このドラマではまだ初々しかった坂井真紀にズキュンといった感じだったなりね(笑)。実に可愛かったなりよ。そうそう、このドラマがきっかけでフィッシュマンズの魅力に気が付いたという人も多いなりよね。コ○助もその一人だったので、1999年にヴォーカルの佐藤伸治さんが急逝されたときには、なんとショックだったことか。フィッシュマンズと「90日間トテナムパブ」。コ○助の中では切れない思い出なり。

フジテレビの深夜ドラマで、コ○助が最も熱烈に見たのは三谷幸喜脚本の「3番テーブルの客」なりか。この作品は、後にも先にも見たことがない、素敵な実験作だったなり。1本の脚本を、23人の監督が演出するという試み。同じ脚本なのに、演出が違うだけで、全く異なった作品ができるということに気付かされ、かなり衝撃を受けた作品だったなり。

「3番テーブルの客」に関しては、以前語ったことがあるなりよ。ちょっとそれを抜粋してみるなりね。(「今日のなりなり。2001年4月21日より)

※※ここから※※
「3番テーブルの客」って見たことある人いるなりか?
コ○助はビデオに全部録画して見ていたような記憶があるなりが、そのビデオはどこへやら。
1つの脚本を、23人の演出家(映画監督、舞台演出家、テレビ演出家、CM演出家、タレントなど)が毎回交代で演出し、同じ話・同じセリフでどこまで違う映像を作れるかというコンセプトの番組だったなり。
あれ、セリフは厳密に同じではなかったような気もするなりが、たぶんだいたい同じようなセリフを話していたと思うなり。
出演者は演出する人がキャスティングするので毎回違うなりが、確か「アンドリュー堺」というキーになる役は、だいたい岡田真澄が演じていたような。
舞台設定も自由に演出家が変更することができたので、全然違う映像になるなりね。
演出していた人を覚えている限り列挙してみると、伊丹十三、松岡錠司、片岡K、井筒和幸、石坂理江子、中島信也、木梨憲武、蜷川幸雄などなど。
列挙するとめちゃくちゃ豪華な顔ぶれなりね。
とても深夜番組とは思えない人たちなり。
特に伊丹十三や蜷川幸雄が深夜番組の演出なんて・・・。
出演していた人も生瀬勝久、伊武雅刀、田口トモロヲ、尾藤イサオ、白井晃、柳葉敏郎、筒井道隆、西村雅彦、津川雅彦、藤木直人、吹越満、伊集院光、伊藤俊人、近藤芳正、相島一之、かたせ梨乃、鈴木保奈美、洞口依子、川上麻衣子、川中美幸、緒川たまき、黒木瞳、桃井かおり、光浦靖子といったテレビ役者から舞台役者、お笑いまでいろいろな人が出演していたなりね。
実に多彩な顔ぶれなり。
「3番テーブルの客」の三谷幸喜の脚本は特別面白いというわけではないなり。
いや、たぶん1回だけ見れば面白いのかもしれないなりが、23回も、基本的には同じ話を見るので正直後半はちょっとダレていたかもしれないなり(笑)。
でも、こういう実験的なこともしていたんだよ、という軌跡を振り返る意味でも、この「3番テーブルの客」は重要な作品だと思うなり。
※※ここまで※※

「BANANACHIPS LOVE」や「90日間トテナムパブ」のような海外ロケドラマ、「3番テーブルの客」のような演出力を競うドラマといった具合に、常に実験的なドラマ作りを目指していた深夜ドラマ。ほかにも豪華キャストによるショートドラマ「ハートにS」、内山理名や小池栄子、佐藤江梨子、仲根かすみ、吉井怜らが出演していた「美少女H」、映画化もされた「NIGHT HEAD」などなど。いずれ劣らぬ良作ばかりなりね。

4年ぶりに復活する深夜ドラマは「ディビジョン1」の名称で4月12日からスタート。4話完結で、スタッフ・出演者・内容をその都度入れ替えるスタイルのようなり。あくまでも若手のスタッフ育成が目的のようなので、粗い作りになるかもしれないなりが、かつては名作揃いだったフジテレビ深夜ドラマ。それら名作に劣らぬ、魅力的な作品が登場することに期待したいものなり。

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