アメリカ陸軍次世代武装ヘリの開発中止。

2004/02/24 23:25 Written by

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ああ、なんということであろう、私サクラが好きなマーヴェルのダークヒーローもの映画『ハルク』にもその姿をあらわにした偵察・攻撃ヘリコプター「RAH-66コマンチ」の開発が中止になったのである。

ペンタゴン(アメリカ国防総省)によると、1983年から開発を進めてきたこのヘリコプターの開発事業を中止し、該当の財源を現有ヘリコプターの改良や沿岸警備隊ヘリコプターの更新などに充てるというのである。20年を超える開発の末に事業を中止する背景には、現状は対テロ戦争に大きなウェイトがかかっており、コマンチを開発する戦略的重要性が薄れたことなどが理由に挙げられるのである。

そう、911以降、戦争の形態が大きく変わってしまったのである。敵レーダー網をくぐりぬける特殊機材を使った「ステルス性」の機能をはじめとして、最先端の装備を備えたハイテクの集大成であるこの機は、2006年から実戦用の配備が始まる予定であったが、その生産コストも馬鹿にならないのである。ひとことで言えば、現状にはコストパフォーマンスが合わない、ということなのである。今までの開発コストも総額69億ドルというとてつもない額に達しているのであるが、開発にともなって獲得された技術的ノウハウは、他の軍用機に活用出来るとして資金の無駄使いにはならないとペンタゴンの当局者は主張しているのである。

開発を担当していたボーイング社、シコルスキー社は「中止決定は唐突であり、失望している」と批判をにじませた共同声明を発表したのであった。そう、そして私サクラも失望しているのである。あんなかっちょいーヘリが2機の試作機と映画の中の架空の話に登場するだけで、もう日の目を見ることがないなんて。映画のコマンチはCGだったりするのであるが。まさか、ハルクに素手でボコボコにされてしまったがゆえの生産中止ではあるまい。

ちなみにコマンチとはアメリカ先住民族の部族の名前である。ビートたけしさんのギャグではないのでお間違えのないように。

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