自衛隊員、イラクでで料理に四苦八苦。

2004/02/22 23:51 Written by

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いよいよ日本の陸・海・空自衛隊によるイラク復興支援活動が本格化してきたのである。とくに南部の都市サマワに展開する主要部隊である陸上自衛隊。その隊員の食料調達に、防衛庁の上層部が頭を悩ませているとのことである。

イラクといえばイスラム教徒の国。その教義によりアルコールや豚肉などの摂取が禁じられているのはみなさんも耳にしたことがあるはずであろう。私サクラの友人が住むトルコなどもイスラム教徒が国民の大半を占めるが、その中でも私の友人をはじめとして、豚肉は食べずともアルコールはたしなむ、という人も少なくないのである。その他のイラク周辺のイスラム教国家でも同様に、戒律がそれほど厳しくないところもあるのが実情である。

それでも当のイラクはこういった戒律にはけっこう厳しく、豚肉は当然のこと、アルコールなんてとんでもない、といった感じなので、自衛隊も苦労しているわけである。北部方面隊(北海道)で編成されている今回の部隊、まさか酒が飲めない隊員のみで構成されているとはとうてい思えないので、いったい宿営地では彼らはどうするのであろうかと私サクラも気になっていたのである。外出は原則禁止にして、実はその代わり宿営地内の奥でこっそりと飲む可能性もあるのでは?などといぶかっていたのであった。

しかしこれは杞憂であった。ああ、隊員の皆様ごめんなさい。陸上自衛隊のの幹部も「海外派遣でこれほど食材に気を使った例はない。炊事担当隊員の腕の見せどころだ」と話しているとのことで、レトルトのハンバーグや中華丼の具を食品メーカーから仕入れる際にも、豚肉やその成分は使わないよう注文をつけていたのであった。さらに、酢豚はメニューからなくなり、ハンバーグに豚のあいびき肉を使うのも控える始末。隠し味に少々たらす料理酒のほか、アルコールを含むみりんも使わないとのことで、かなり徹底しているのである。

これでもし中東にもBSEや鳥インフルエンザの問題が出てきたらいったいどうするのであろうか。という新たな杞憂は置いておいて。実は私サクラには他にもヨルダンの首都アンマンに住むパレスチナ人の友人がいるのだが、その友人が属する宗派は戒律が厳しく、豚肉以外に、牛肉や鶏肉などもご法度。獣肉に関しては一切口にしてはいけないのである。そのかわり、海のものはなんでも食べてよいとのこと。以前横浜で会ったことがあるのだが、海鮮居酒屋に連れて行き、私はビール、彼はカルピスやオレンジジュースで乾杯をしつつ、マグロやウニなどを食わせたのであった。うまいうまいと喜んでいたのを思い出す。

こうした食の問題も含め、いろいろな苦労や困難に立ち向かう自衛隊隊員の皆様。無事に任務を全うされることをお祈りいたしております。

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