吉野家も牛丼販売中止へ 11日から。

2004/02/10 04:26 Written by コジマ

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なか卯、すき家に続いて、ついに最大手の吉野家も牛丼販売の中止を決定したのだ。在庫がなくなり次第ということだそうだけど、ほとんどの店舗が今月11日に中止となる見通しだそう。既に投入している新メニュー(「カレー丼」「焼鳥丼」「いくら鮭丼」)が不振のなか、吉野家は活路を見出せるのだろうか。

ぼくが吉野家に出合ったのは、小学校1年生のとき。親父とプロ野球を観に行った帰りに、親父が「おい、ハラ減ってないか?」と訊いてきた。ぼくが「オラ、すっげーハラ減ったぞ。目ぇ回りそうだ」と悟空口調で返すと(すいません、ウソです。ぼくが1年生のときはまだ『ドラゴンボール』は始まっていませんでした)、「吉野家に行かないか? あ、でも母ちゃんには内緒だぞ」と誘ってきたのだ。オレンジ色のオッサン…もとい、大人しか入れない店に少なからず興味があったぼくは、二つ返事で快諾したのであった。まあ、その旨いこと旨いこと。「おい、くれぐれも母ちゃんには言うなよ」と何度も念を押す親父の気持ちは理解できなかったけど(その頃の母ちゃんは、異常にジャンクフードとドリフを嫌っていた)、その日に吉野家の味は、ぼくの脳にインプットされてしまった。さすがに子供同士で店に入ることはできないので、神宮球場では中で買い、後楽園球場では外で買って持ち込むといった具合に、野球を観に行くときには必ず「母ちゃんには内緒」で吉野家の牛丼弁当を食べていたのだ。

なので、ぼくにとって牛丼=吉野家なのである。というか「吉野家の牛丼」という食べ物が好きなので、決して牛丼が好きなわけではない。なか卯は「親子丼屋さん」、松屋は「定食屋さん」というふうに認識しているため、他のチェーン店では牛丼はほとんど食べなかったのだ。まあ、最近は腹にたまってきた脂身を意識して吉野家からは遠ざかっていたのだけれど、やはり吉野家の牛丼がなくなるのは、他のチェーンと違って大変ショックなことなのである。

さて、そこで「吉野家がつぶれたら、牛肉の流通が正常になったときに『吉野家の牛丼』が食べられなくなってしまうではないか! 新メニューを食って吉野家を支えよう!」と、東京の有楽町店に行ってきたのだ。

いきなり「いくら鮭丼」が目に止まる。「カレー丼」を食べにきたつもりだったのだが、ほかのメニューにモザイクがかかってしまうほど「いくら鮭丼」がぼくの心をつかんで離さない。なにしろ、いくらは大好物ベスト3に入るほど愛しているのである。無論、『サザエさん』でもタラちゃんよりイクラちゃん派である。艶やかないくら、垂れるヨダレ。迷わず「いくら鮭丼」を頼んでしまった。ぼくはイヤらしい性格の持ち主なので、味噌汁も頼んでいくらを数粒なかに入れてみたのだけれど、なんと! お湯に入れると白く変色するハズのいくらの色が変わらない。う〜ん、アヤシイ。これホンモノなのかね。450円でいくらが食べられるのは嬉しいことだけど…。

別の日に「カレー丼」も食べたのだけれど、こっちもなんかイマイチ。値段の割に具が少なすぎるのだ。なんかカレーがしつこいし。多忙を極める店員さんをムリヤリ呼び止めて訊いてみると、
「ハイっス、ウチは1日3000〜4000人来るっスけど、8〜9割のお客さんが牛丼を頼まれてるっス」
「新メニューのなかでは何が一番売れてるの?」
「ハイっス、『カレー丼』っス。『焼き鳥丼』と『いくら鮭丼』は調子悪いっス」
と、やはり新メニューは不振のよう。みんな吉野家には牛丼を食べにいってるのよね。牛丼については駆け込み需要が増えているとの話もあった。

ただ、東京の築地市場や競馬場など、全国10店舗ではこれからも牛丼が食べられるようなので、11日以降に吉野家の牛丼を食べたい人は、市場か競馬場か米国へGOなのだ。

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