1つの番号、2人の女性。

2004/02/03 08:52 Written by

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アメリカで住んでいる人には、政府から「Social Security Number」というのが発行されます。これは、確定申告や、車の免許取得、保険の申し込み、学校の入学願書、アパートに入居するとき等、あらゆる場面で必要になってくる番号です。

一人に一づつ割り振られ、その番号は完全に個人情報。なにせ、この番号があれば他人になりきることが出来ますからね。「この番号が無ければアメリカでは人間として扱ってくれない」と言う人もいるほどです。まあ、国が人につけた管理用の番号といったところでしょうか。しかし、その重要度は住基ネットのそれとは比べ物にならないほど大切です。

しかし、この番号。今回、23年間にわたり2人の女性が一つの番号をシェアしていたという事実が発覚。

事の発覚は、女性の片方がインターネットにて確定申告をしたときに、コンピューターが「あなたは毎年、2回それぞれ違う金額で申告しているのですが」という警告から。調べていったところ、やはり誰か別の人が同じ番号を使っていた事が発覚したんですね。23年の間、この二人は一人として政府に認識され続けてきたのでした。

なぜこの様な事になったのかというと、もう片方の女性が、23年前にソーシャルセキュリティーカード(ソーシャルセキュリティーナンバーが書いてあるカード)を紛失し、再発行の手続きをしました。しかし、そのときに間違って自分のではなく、彼女の番号で再発行手続きをしてしまったんですね。

もちろん、この番号は全てコンピューターによって管理されている物。通常はダブりが起きるのは有り得ません。それでも、政府側の人間はコンピューターがおかしかったときに偶然(データが)入ってしまったようだ、との見解を発表してます。

23年間にわたり絡まった2本の糸をほぐすのは相当大変な仕事だったらしく、張本人の女性はストレスから仕事をやめてしまう羽目に。

今回のは、偶然に偶然が重なった不幸な事件、といたところでしょうか。

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