この教義で一般に知られているのが一夫多妻制の共同体生活。実はモルモン教は1890年にこの一夫多妻制を廃止しているのですが、それでも風習として根強く残っています。これ、現在全米第4位の規模の宗派でありながら、今でも同教が多くの人々から否定、批判され続けている原因のひとつでもあるのです。
さて長年迫害の対象になっていたモルモン開拓者が入植し、その結果栄えた地域がソルトレークを中心とするユタ州周辺です。ここで最近、複数婚をしていたとして、同州の最高裁から罷免された判事がいるそう。ヒルデル市でパートタイムで軽犯罪などを担当していたウォルター・スティード氏は25年のキャリアを持つベテラン判事。
ところが彼、1965年に最初の奥さんと結婚した後、その妻の2人の実妹とも「事実婚」。もちろんモルモン教との多いユタ州でも、他州と同様重婚は違法。この事実が判った時点で判事は社会的秩序を乱すとして懲戒免職になったのです。確かに法で人々を裁く立場の人間が違法なことしてちゃ、もちろんご法度なワケですし、クビになるのも仕方がないかと。
それにしても、このスティード判事。3つの結婚で合計32人の子供がいるんだとか……。複数婚がどうたらより、一体どうやって全員を養っていたのか、その辺が妙に気になるウォール真木なのでした。