■ 2002年11月09日 (Sat) 昨日は1日中所用で東京・秋葉原にいたので、ついでに11月7日に発売されたばかりのマイクロソフトの新製品「タブレットPC」を触ってきたなり。 正式に発表される前から「微妙な製品」との評判がチラホラと聞こえ、コ○助自身もこの製品が飛ぶように売れる製品だとは思っていないなりが、何はともあれとにかく自分で触ってみなければ話が始まらないということで、実機を見に行って来たなりね。 その前に「タブレットPC」をちょっとご説明を。 「タブレットPC」は構想10年と言われる、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の大プッシュ製品。 ペン入力の技術を駆使して「手書きの文字をデジタル化できる」というのが最大の特徴の製品なり。 まあ簡単に言うと、活字のワープロの文書にペンで丸を付けたり、手書きで文字を添えたりすることができるほか、ペンによる手書きの文字を活字として認識させたりできるパソコンということなりね。 これまでに日本で参入を表明しているのはソーテック、東芝、NEC、日本ヒューレット・パッカード、富士通、日本エイサー、ビューソニック、ペースブレードジャパン、松下電器産業の9社。 主要パソコンメーカーでは、ソニーと日立製作所が「タブレットPCの市場が存在するのかどうか不透明」といった理由で参入を見送っている以外は、だいたい参入を決めているようなり。 昨日、8日現在で発売されている「タブレットPC」は4機種。 ソーテックのコンバーチブルタイプの「AFiNA Tabret AT380B」(259,800円)。 東芝のコンバーチブルタイプの「DynaBook SS 3500」(オープンプライス、実売270,000円前後)。 富士通のピュアタブレットタイプの「FMV STYLISTIC」(オープンプライス、実売300,000円前後)。 日本エイサーのコンバーチブルタイプの「TravelMate C100」(オープンプライス、実売249,800円前後)。 ソーテック、東芝、日本エイサーの採用しているコンバーチブルタイプというのは、基本スタイルはノートパソコンのようで、液晶部分が180度回転し、キーボード部分と液晶の背を合わせることでタブレットスタイルになるもの。 富士通の採用しているピュアタブレットタイプは、基本スタイルが既に液晶部分のみのタブレットスタイルのものという違いがあるなり。 形状に関してはこれまでのパソコンとは違ってモノとしての面白みもあるし、使い勝手も決して悪くない感じ。 問題は、やはりソフトウェア面。 搭載されている「タブレットPC」用OS「Windows XP Tablet PC Edition」の出来なりね。 実際に触ってみたなりが、活字のテキストにペンでいろいろと記入できるのは確かに面白い。 強調したい部分を色の付いた丸で囲んだりすれば非常に目立つし、ペンでサラサラっと書いたものがひとつのファイルになるのも悪くは無いなり。 ただ、ペンが画面から浮いているような書き心地(液晶とペンの間にはパネルが挟まれているので当然なりが)のため、実際に鉛筆やボールペンで紙に書く書き心地では無いなりね。 違和感を感じないわけにはいかなかったなりが、まあそこまで期待している人もいないなりか。 また、ペンを使って手書きしたものを活字にするという流れもやってみたなりが、識字率は悪くはないものの、カタカナとひらがなの認識がちょっと甘いような印象を受けたなり。 感じとしてはザウルスの日本語ペン入力や「ATOK Pocket for Palm OS」などに搭載されている手書き認識機能と入力方法は同じようなもの。 一文字ずつ文字を手書きして行く(漢字も可)と活字となって現れるわけなりが、PDAでこの手の作業をしたことがある人は分かる通り、どうも長文を書くには向かないなりよ。 キーボードに不慣れな人ならともかく、キーボードをごく普通に打つことができる人にとっては、ペン入力というのは結構苦痛なものなのではないかと。 そういう意味では、あまり使う機会が無さそうな機能のような気もするなりが・・・。 手書き認識については見解が分かれるところかもしれないなりが、8日に掲載されたWIREDの「ゲイツ会長、『タブレットPC』発売セレモニーで『ニュートン』を痛烈に批判」という記事にこんな記述があったなり。 「マイクロソフト社の社員たちの間では、タブレットPCは先にアジア諸国で流行するという予想が優勢だ。アルファベット以外の文字は、キーボードより手書きの方が早く入力できるからというのがその理由だ」。 コ○助もザウルスやらPalmやらを使ってきた経験から言わせてもらうと、日本語を「キーボードより手書きの方が早く入力できる」ということはまず有り得ないのではないかと。 少なくとも、これまでのデバイスではそんなことは無かったし、「タブレットPC」も実際に触った感じではキーボードの方が格段に速かったように思うなり。 このマイクロソフトの社員の話が本当だとすれば、完全に見誤っているような。 むしろアルファベットこそ速く入力できそうな気がしていたなりが・・・。 マイクロソフトは「タブレットPC」をノートパソコンとPDAの中間に位置する、新たな製品カテゴリーとしているなり。 でも、コ○助が触ってみた印象としては「ノートパソコン+α」でしかなく、新たな製品カテゴリーというには厳しいかな、と。 価格もノートパソコンよりも数万円高いし、ペン入力でなければならないという動機付けが弱いこともあって、消費者の反応は鈍くなって当然だと感じるなりよ。 まあ発売当初からビル・ゲイツ会長も長期展望に立ってこの製品を成長させていく考えのようなので結果を焦ることは無いのかもしれないなりが、とりあえず第一世代の「タブレットPC」は、あまり製品としての魅力を感じないものだったなり。 ビル・ゲイツ会長の肝いりで始まった「タブレットPC」プロジェクト。 果たして成功を収めることができるなりかね。 量販店などにはだいたい実機が展示されていると思われるので、皆さんもぜひ一度試してみて下さいなり。
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