Appleの工業デザイナー、アビドゥール・チャウドリー氏が同社を退社し、AI系スタートアップに転職することが報じられている。

チャウドリー氏は、iPhone Airの開発に中心的に関わり、2025年9月の発表イベントでは、同モデルのデザインについての2分間の紹介映像にも登場。これはApple内でも特に信頼されたデザイナーにのみ任される役割だった。
Bloombergによると、チャウドリー氏の退社は社内に動揺をもたらしており、その影響力の高まりと、2019年のジョナサン・アイブ氏退社以降続くデザイン部門の人材流出の一環として注目されている。アイブ時代のベテランたちはすでに多くが退職または他社へ移籍しており、Appleのデザインチームは現在、新人や若手中心の構成に変化している。
なお、チャウドリー氏の退社はiPhone Airの販売成績とは無関係とされている。同モデルは販売面では控えめな結果にとどまったが、軽量設計や素材面での工夫は高く評価されており、Appleは2027年に第2世代モデルの投入を計画しているという。
それでも今回の退社は、2025年に入ってからのAppleデザイン部門の構造変化を象徴する出来事と受け止められている。先週には長年COOを務め、デザインチームを統括していたジェフ・ウィリアムズ氏も退社しており、Appleのクリエイティブ部門は大きな転換期を迎えた。