座礁したイルカが、アルツハイマー型認知症の一種を患っているかもしれないという。

海洋ほ乳類のイルカは、海中の細菌が生成する有毒分子に「慢性的に晒された」後、記憶力や思考能力に影響を与える進行性の脳疾患を発症したことで方向感覚を喪失、海岸へ打ち上げられた可能性があるようだ。
この見解は、米フロリダ州ハッブス・シーワールド研究所の研究者たちが主導し、学術誌コミュニケーションズ・バイオロジーに掲載された研究結果を受けて発表されたものとなっている。
同研究で、フロリダ州で座礁した20頭のハンドウイルカが、脳内に藍藻(シアノバクテリア)が産生する毒素を保有していることが判明。マイアミ大学のデイヴィッド・マイケル・デイヴィス博士はこう声明を発表している。
「イルカは海洋環境における有毒物質への曝露の環境監視役と考えられており、藍藻の異常発生に伴う人間の健康問題について懸念があります」
「アルツハイマー病には多くの原因があるとされていますが、細菌への曝露がリスク要因である可能性が高まっていると言えるでしょう」