ドーム状に咲き誇る菊「千輪咲」シンガポールへ

2018/08/29 15:09 Written by Narinari.com編集部

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福島県二本松市の菊「千輪咲」が、シンガポールの人気植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」に試験展示されることが決定した。

「千輪咲」は、一本の茎から枝分かれを繰り返させて千もの花を咲かせるという独特な技術により作られる菊の花。二本松市から海外への輸送・展示は初めての試みだ。

二本松市では、かねてより「菊人形」や、一本の茎から数百、数千の菊花を咲かせる「多輪咲」などの高い技術による「魅せる菊」づくりを続けてきた。また、園芸作品として魅せるだけではなく、現代の多様なシーンや空間の彩りに菊を活用して欲しいとの想いから、2016年に二本松の菊の魅力向上を目指す「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」を立ち上げている。

今回の試験展示は、2017年より「千輪咲」を探していた「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」に、時を同じくして“福島県二本松市から世界へ”を目指して「菊のまち二本松ブランディングプロジェクト」を展開していた二本松市の情報が伝わり、二本松市の職員や栽培担当者が現地を訪問。協議を重ねた上で、試験的展示に至ったという。

現在は「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で9月に見頃を迎えることができるよう、開花時期の調整を行っている。

「千輪咲」は、園芸菊の粋を極めた職人が約2年の歳月をかけて、一本の茎から枝分かれを繰り返させて千輪もの菊花を咲かせるまでに育てあげた生花。二本松市でも栽培できる職人は数人のみという希少な技術で、育て始めの一年は枝数をたくさん増やすため、茎の先端だけを摘んで枝分かれさせる「摘芯」という作業を繰り返していく。さらに開花を抑制するために、夜間も光を当てて管理。2年目になると、花芽を育て、つぼみをつける。つぼみ一つひとつに、花を支えるための「輪台」を付けながら、ドーム型の枠に合わせて花の位置を固定して仕立てていく。生花であるため、花持ちの良い菊といっても、開花は約4週間程度だという。

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