存在疑問視されたミジンコ、120年ぶりに発見

2018/07/26 13:46 Written by Narinari.com編集部

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日本で新種として記載されていながら、その存在が疑問視されていたミツクリミジンコがおよそ120年ぶりに発見された。

東北大学大学院生命科学研究科の研究チームは、1896年に日本で記載されたミツクリミジンコをおよそ120年ぶりに発見。日本や中国において現存していることを論文として発表した。

ミツクリミジンコの名前の由来は、日本の動物学の発展に尽くした箕作佳吉(みつくり・かきち)博士にちなんで命名されたもの。箕作博士はカメの発生やナマコの分類の研究で世界的に著名であり、ミキモトの創業者として知られる御木本幸吉に真珠の養殖が可能と助言するなど、カキや真珠の養殖にも貢献。深海魚のミツクリザメも箕作博士の名前を由来としている。

ミツクリミジンコは、1869年に東京帝国大学農学部教授の石川千代松博士により採取されたが、その後の分類学の歴史の中で種としての存在が疑問視され、忘れられていた。

だが、千葉県印旛沼で採集されたミジンコを飼育繁殖させ、遺伝解析と詳細な形態観察を行うことで、遺伝的に既知の種とは異なることが判明。そして形態的特徴がミツクリミジンコに酷似していることから、採集されたミジンコはミツクリミジンコと結論づけられることになった。

なお、ミツクリミジンコは1896年当時は平地で普通に見られたと考えられるが、北米から侵入したミジンコに駆逐された可能性があり、現在は非常に稀な種となっているという。

SNSなどのネットでは「こういうの好きだ。地道な研究素晴らしい」「ミツクリミジンコ、写真見ても普通のミジンコと区別がつかない」「『日本産ミジンコ図鑑』にさえ掲載されていない幻のミジンコ。凄いですね」といった反応が寄せられている。


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