◎マーベルヒーローが一堂に会する「マーベルエクスペリエンス」
スパイダーマン、アイアンマン、ハルク、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカ、ブラックパンサー、ウルヴァリン……世界中に多くのファンを抱えるマーベル・コミックの魅力的なヒーローとヴィランたち。そんなヒーローとともにS.H.I.E.L.D.(シールド。ヒーローを管理する国家組織)の一員となって戦える素晴らしい施設が世の中には存在している。それが巡回型テーマパークの「マーベルエクスペリエンス」だ。
アメリカのヒーローベンチャーズ社がプロデュースした「マーベルエクスペリエンス」は、最先端技術を駆使し、双方向型かつ没入型の冒険を特徴とするトラベルアトラクションテーマパーク。期間限定の巡回型テーマパークとは言え、制作費には3000万ドル以上が投じられており、すでにアメリカ4都市でローンチ、現在は韓国・釜山で展開されている。今回はそんなマーベルの魅力がこれでもかと詰まった「マーベルエクスペリエンス」を体験。どのような施設だったのかをレポートしたい。
◎「マーベルエクスペリエンス」が釜山に誕生したワケ
まず、内部の詳細について語る前に、なぜ韓国・釜山に「マーベルエクスペリエンス」が誕生したのかだが、これには3月1日に日本で公開予定のマーベル映画「ブラックパンサー」が関係している。もともと韓国ではマーベル作品が人気ということも背景にあるが、「ブラックパンサー」の一部は釜山で撮影されており、そうしたマーベルとの密接な関係がアジア初の「マーベルエクスペリエンス」誕生につながったのだ。ちなみに、「ブラックパンサー」の撮影にあたっては、釜山側からアプローチをかけたというのだからかなりの気合いの入れようだ。
◎立地抜群、釜山駅から徒歩圏内
「マーベルエクスペリエンス 釜山」は釜山駅から400mほど離れたところに位置しており、大通りに面していることから遠目にも見分けがつきやすい。大きなドームが目印だ。入口ではS.H.E.I.L.D.と記されたどデカイゲートと車がお出迎え。ゲート横にはチケットブースがあり、チケットは2時間チケット(平日34,000ウォン/週末および休日39,000ウォン)、4時間チケット(平日44,000ウォン/週末および休日50,000ウォン)の2種類。かつては60日間遊び放題というVIPチケットも販売されていたそうだが、現在は販売されていないようだ。ちなみに、2時間チケットは各アトラクションを1回ずつしか遊べないので、マーベルファンは迷わず無制限の4時間チケットを購入しよう。ウォンから日本円への為替換算だが、ウォンから0をひとつ取れば、ほぼ日本円と同じになる(34000ウォン=約3400円 ※2018年2月現在)。
入場券をゲットしたらゲートを抜け、そのまま直進。すると、マーベルヒーローたちが壁一面に貼り出されており、自ずとテンション上昇。いきなりのフォトスポットに足止めをくらうが、チケットは時間が限られているので、撮影はほどほどにして先に進もう。
さらに進むと「THE MARVEL EXPERIENCE BUSAN」のボード、S.H.E.I.L.D.のロゴが記された階段。そう、ここがメインエントランスとなる。
◎あなたは人間? それとも……。
メインエントランスに入ると、ロビー左手に小さな受付カウンターがあり、そこでS.H.I.E.L.D.の一員になるための身分証を発行する手続きを行う。顔写真を撮影し、身長や性別、瞳の色などを登録するのだが、面白いのは種族も選べることで、ヒューマン(人間)、アンドロイド、スーパーマン(超人)、アニマル(獣)、エイリアンから選択できた。今回の取材に同行していたアメコミ系映画ライターの“すぴさん”こと杉山すぴ豊氏は「スーパーマン(超人)」を選択していた。
受付カウンターで身分証を発行してもらった後はいよいよ内部へ……まずはエレベーターに乗って地下42階にあるS.H.I.E.L.D.基地のモバイルコマンドセンターへと向かうという設定だ。しかし、ここでいきなりのハプニング発生。何が起こるのかは来てからのお楽しみだが、このピンチにアイアンマンとスパイダーマンが颯爽と登場、我々一行を助けてくれたのであった。
そんなこんなでやっとモバイルコマンドセンターに到着すると、そこには3Dプリンターで作成された等身大マーベルヒーロー、キャプテン・アメリカのシールド、アイアンマン&アントマンのマスク、マイティ・ソーのハンマーなどが展示されており、ゲストはモニター映像を見ながら「世界中が危険にさらされている!」「ヒーローがもっと必要だ!」などとストーリーガイドに耳を傾けながら、これから始まるであろう“試練”に思いを馳せることになる。映像ではヒーローたちの技や武器をコピーできる恐ろしい敵キャラクターも登場し、これから我々が立ち向かわなければならない相手が半端ない奴であることを思い知らされるであった。怖っ。
説明を一通り受け、いよいよ正式なエージェントになるための訓練を受けるべく、トレーニングセンターへ。まずはエアシャワー消毒をされ、それから本人かどうかを確認。その後、先ほど登録した身分証を機器にかざすことで、やっとトレーニングセンターへの入室を許可された。さすがS.H.I.E.L.D.のセキュリティ対策だ。
◎過酷なトレーニングは6種!
トレーニングセンターには8つのコンテンツが用意されている。エリア中心部のセントラルタワーを囲むようにコンテンツは配置されており、セントラルタワーではヒーローとヴィランの情報をチェックできるコンテンツを楽しめるほか、チケットの残り時間、自分のスコアを確認できる。ハイスコアをあげて5位以内に入ると各コンテンツのランキングに掲載されるようになっているというが、1日に何名もプレイするわけだから、なかなかハードルは高い。ちなみに、スコアが試されるのは6コンテンツで、残り2コンテンツはスコアのないコンテンツ。基本、コンテンツを遊ぶ上での年齢制限は設けられていないが、コンテンツによっては幼い子どもがプレイできないようになっているという。
スコアを競い合う6コンテンツは、スパイダーマンの「クライミング・ウォール」、アイアンマンの「フライト・トレーニング」、ハルクの「パンチ・アウト」、ブラックパンサーの「ハイ・ジャンプ」、ブラック・ウィドウの「レーザー・メイズ」、キャプテン・アメリカ&マイティ・ソーの「3Dシューティング・シュミレーター」。
スパイダーマンの「クライミング・ウォール」は、要はボルダリングのことで、緑のランプを押してスタート、上部の赤いランプを押せばクリアとなる。コースは初心者用・経験者用の2種類が用意されているが、それぞれ制限時間内に突破しなければならない。ホールドのサイズや距離、数が初心者用と経験者用では異なっていた。
アイアンマンの「フライト・トレーニング」は、前方のモニターに映し出されるアイアンマンになりきり、フライトするトレーニング。両手を下げ、軽く開いた状態で身体を左右に動かすことで身体をコントロール、壁に当たらないように飛行していくのだが、途中、敵が襲ってきたりもする。手を前方に突き出すとアイアンマンの掌からリパルサーレイが発射され、敵を破壊できる。ゴールの時間が早ければ早いほどスコアが上がる設定だ。
ハルクの「パンチ・アウト」もアイアンマンの「フライト・トレーニング」と似たコンテンツで、モニター前面に立ち、ハルクを操作することになる。こちらも手を前に押し出すようにしてパンチを放ち、敵を倒していくのだが、途中壊してはいけない緑の物体も登場する。そのため、ただ闇雲にパンチを繰り出していれば良いというわけではなかった。また、ゲージがたまるとすべての敵を一瞬にして破壊できる必殺技も放てる。
ブラックパンサーの「ハイ・ジャンプ」はジャンプアトラクション。これまたモニターの前に立ち、タイミングに合わせて自分もジャンプして敵を乗り越えたり、ビルを飛び移ったりする。プレイヤーの横には手すりがあり、疲れた人は手すりを利用して軽く足を浮かせるだけでもジャンプ可能だ。ちなみに、上手な人の場合、足が完全に床から離れなくてもジャンプできるそうで、それがハイスコアを叩き出すコツにもなっているようだ(疲れないため)。なお、ジャンプには大小あり、スコアアップのためには大ジャンプをマスターしなければならない。
ブラック・ウィドウの「レーザー・メイズ」はかなり難易度が高いコンテンツ。レベルは3段階に分かれており、一番優しいレベルであればそうもでないようだが、もっとも難しい「ハード・モード」を選択するとほぼ“無理ゲー”。真っ暗闇の中、レーザー感知システムに引っかからないように行動するのだが、赤いレーザー線は無数にはり巡らされており、冬服を身にまとっている大人にはほぼ不可能なレベル。スタッフによれば「身体の小さいお子さんが床を這うようにして成功していますね」とのこと……やはり一般人にエージェントの資格はないのか?
キャプテン・アメリカ&マイティ・ソーの「3Dシューティング・シュミレーター」はトレーニングセンターで唯一のシッティングタイプのコンテンツ。最大8人で同時プレイができ、大画面に映し出される敵をガンで打ちまくる単純明快なゲーム。終了後にはそれぞれのスコアが表示され、順位も発表されるようになっていた。
スコアに関係なく遊べるコンテンツが「アべンジャーズ・ARウォール」だ。こちらはモニターの前に立ち、モニターに表示されるポーズをとると、ポーズに合わせたヒーローが出現するというもの。スパイダーマン、ハルク、マイティ・ソー、ブラックパンサー、キャプテン・アメリカなど8人のマーベルヒーローのお馴染みのポーズを正確に決める必要がある。ポーズによってはなかなかうまく決まらず、現れないヒーローもいるのだが、それ故にヒーローが現れてくれたときは喜びも一入だ。
◎トレーニング後はいよいよ決戦の地へ
トレーニングコンテンツは以上になるが、ゲストはその後、VRエリアのシミュラリウム(ゾーン4)、トランスポート・コリドール(ゾーン5)、4Dモーションライドシアター(ゾーン6)、デブリーフ・ゾーン(ゾーン7)とまだまだ体験すべきことが山積み。VRエリアからはストーリー重視のコンテンツになってくるため、詳細は明かさないが、マーベルファンにとっては嬉しい演出がそこかしこに盛り込まれているので、ぜひ一度体験してみて欲しい。
◎「釜山」限定グッズを入手しよう
また、「マーベルエクスペリエンス 釜山」には、マーベルヒーローのロゴマークタトゥー(8種から選択)を手の甲にほどこしてくれるサービスがあったり、マーベルグッズが入手できるグッズショップ、マーベルがモチーフのカフェレストランがあったりと、ほかにも見所が盛り沢山。グループで賑やかに遊ぶもよし、ひとりでマーベルの世界に没頭するもよし、どちらにしても後悔しない時間を過ごせるはずだ。
なお、2月25日に終了を迎える「マーベルエクスペリエンス 釜山」だが、「マーベルエクスペリエンス」はその後タイに登場することがすでに決定済み。オープン日や具体的な場所などの詳細は明らかにされていないが、「釜山」を訪れることができなかったマーベルファンはタイでのオープンに期待しよう。
取材支援:韓国観光公社
◎発売情報
3月7日発売 「マイティ・ソー バトルロイヤル」
「マイティ・ソー バトルロイヤル MovieNEX」/4,000円(税別)
「マイティ・ソー バトルロイヤル 4K UHD MovieNEX」/7,800円(税別)
「マイティ・ソー バトルロイヤル 4K UHD MovieNEX プレミアム BOX(数量限定)」/15,000円(税別)
4月4日発売「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」劇場公開記念タイトル(期間限定のオリジナル アウターケース付き)
「アベンジャーズ&アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン ブルーレイセット」/6,000円(税別)
「アベンジャーズ&アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン DVDセット」/4,000円(税別)
「マイティ・ソー MovieNEX」/4,000円(税別)
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー MovieNEX」/4,000円(税別)
「アイアンマン2 MovieNEX」/4,000円(税別)