ボスCMに北島三郎&石川さゆり、宇宙人ジョーンズ新作「北海道新幹線」篇。

2016/01/29 00:01 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


演歌歌手の北島三郎と石川さゆりが、ハリウッド俳優トミー・リー・ジョーンズ扮する“宇宙人ジョーンズ”のサントリーコーヒー「ボス」シリーズCM最新作「北海道新幹線」篇に出演していることがわかった。2月2日より、全国でオンエアを開始する。

今回、宇宙人ジョーンズが調査対象に選んだのは、今年3月26日開業予定の「北海道新幹線」。この惑星の住人は、なぜ、新幹線をつなげることに情熱を燃やすのか。本州と北海道をつなぐ歴史的事業に関わったジョーンズは、本州側の津軽海峡を望む厳冬の喫茶店で、青函連絡船の時代を懐かしむ女性店主(石川さゆり)と、北海道側の除雪作業中の線路で、新幹線の開業を心待ちにする元鉄道作業員(北島三郎)と出会う。来るべく新幹線の開業を前に「津軽海峡・冬景色」を口ずさみ、過去への思い出に浸る石川と、「函館の女」を口ずさみ、輝かしい未来の幕開けを喜ぶ北島。対照的な二人の胸の内に思いを馳せながら、人と人、過去と未来をつなぐ北海道新幹線開業の日を迎えるジョーンズの姿を通じて、すべての働く人にエールを送る――という内容だ。

元鉄道作業員に扮した北島が、線路脇で新幹線の開業を感慨深く眺めるシーン。背景の雪山の景色が映し出されると、生まれ故郷を舞台としたCM撮影に興奮冷めやらないといった様子の北島は、「昔は地元から東京まで行くのに20時間かかったからねぇ。それが今や…」「昔は、ディーゼル車が車両を引っ張っていて、真冬はよく線路で滑って前に進まないことがあったなぁ」などと、故郷で暮らしていた頃の思い出を感慨深そうに語る。

また、「♪はるばる来たぜ〜函館〜」と口ずさむシーンでは、誰もが知っている名曲を、アカペラで歌う北島の姿に感動した撮影現場のスタッフから何度もどよめきが起こったそう。北島は常時、顔に強風を受ける過酷な撮影にもかかわらず、監督から「いいですねぇ!素晴らしい!」と太鼓判をもらうOKテイクを連発し、時には「雪がこのぐらいの風で吹き付けているとしたら、もう少し目を細めた方が自然な気がします」などと、まさに雪国育ちでなければ分からないアクションを監督に提案。よりリアルなお芝居を納得が行くまで追求していたそうだ。

新幹線に、北島が思わず敬礼してしまうシーンでは、監督に「新幹線が本当にやってきたと驚いて涙ぐむという演技をお願いします」と伝えられた北島。「あっ来た!」と叫び、少し涙ぐみながら、無言で敬礼する北島渾身の芝居に多くのスタッフが心を打たれ、現場が一瞬、静まり返るというひと幕もあったという。

一方、喫茶店の店主役ということで、かわいらしいエプロン姿で登場した石川。「津軽海峡・冬景色」を口ずさむシーンでは、監督から「過去の出来事に郷愁を感じているような“切ない顔”でお願いします」というオーダーを受け、「“切ない顔”って難しい!」と言いつつも、いざカメラが回り始めると、画面にグイグイ引き込まれる抜群の芝居を連発した。また、「♪津軽海峡〜冬景色〜」とサビを口ずさむシーンでは、「大きな演奏で歌う時とまた違って、何かこうフッと口からついて出る感じ。皆さんの生活の中で、こういうふうに歌ってくださることもあるのかなと想像しながら歌いました」と語っていた石川。ほんの囁き程度でありながら、その素晴らしい歌声に、現場の誰もがうっとりした表情で聴き入っていたという。

そして粉雪の舞う小道をつぶやきながら歌うシーン(60秒篇)では、まるで映画のワンシーンのように、クレーンカメラによる俯瞰からの大掛かりな撮影を敢行。「零下4度という設定で、空を見ながら切ない感じで」という監督の指示のもと、石川は「たどたどしく歩いている方が、雪道を歩いている感じがするかも」「もっと縮こまっている方がリアルよね」などと、積極的に自らのアイデアを提案していたそうだ。

CM撮影後、トミー・リー・ジョーンズは新幹線について、「まず驚いたのは時間通り出発して、到着したこと。あと、非常に速かったことも覚えています。すごくキレイな乗り物なので、アメリカにもあったらうれしいですね」と初めて乗ったときのエピソードを披露。また、現場では人生初の雪かきを楽しんだが、これについても「雪かきはやったことがありません。なぜなら、僕が住んでいるテキサスのサンアントニオ市は、少しでも雪が降ったら町全体が麻痺してしまうほど、ほとんど雪が降らない場所だからです」とコメントした。

北島は、今回のCM撮影は「他にもCM撮影をしたことがあるんですけど、難しくてね。今回は監督がとても優しくて、『あ、それいいね』『その感じで』と乗せてくれるので、すごくやりやすかったし、楽しかったです」と充実の時間だったそう。

北海道新幹線については「まさか、と思いますよね。しかし、まさかではなくなっちゃった。あそこに新幹線が走っちゃうんですから。北海道だけは絶対につながらないと思っていたんですよ。北海道の出入り口が私の生まれ故郷なんですけど、そこに本州の風を新幹線が運んできてくれるかなと思うと、なんか感動しますね。本当にうれしいです。北海道の風を、我が町・知内町から本州に運んでくれる新幹線に、ありがとうと言いたいですね」と喜びを語った。

ちなみに「『函館の女』を発表された1965年に北海道新幹線が開業することは想像できましたか?」との質問には、「絶対、そんなことはあり得ないと思いましたね。開業してほしいとも、無理だから考えなかったですよ。でも、おふくろたちが生きていた頃に開業していたら、なんて言うだろうなと。東京から5時間足らずでここまで来ちゃうんだよと。私が東京に来た昔は、家から20時間ですから。今なら、アメリカに行って帰って来るぐらいの時間がかかったわけですよ。おやじとおふくろに見せたかったですね」と、両親に思いを馳せた。

そして、石川も北海道新幹線については「1976年に『津軽海峡・冬景色』を入れたアルバムを発売した頃、取材で津軽海峡に近い三厩という場所を訪ねた時、遠くにプレハブの家が並んでいて、それが青函トンネルの工事現場でした。『えーっ、ここから津軽海峡を列車が渡っていくの!? すごいわね。でも、いつの日かしら』と驚いたんですけど、本当に海底のトンネルを列車が通過すると思ったら、今度は新幹線かと(笑)。いろんなことが時の流れとともに進んでいるのだなと思いました」と感慨深い様子だった。


TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.