2011年、中国で60歳近い男性が、便秘解消のため肛門に牛乳瓶を挿入して抜けなくなるという痛ましい出来事が報じられたが、このたび同様の事例が中国のメディアを賑わせている。今回の男性はビールグラスを肛門に挿入して便秘解消を狙ったが、やはり抜けなくなってしまったそうだ。

中国メディア広州日報などによると、この一件は先日早朝、とある病院の肛門科に“患者”が駆け込んできたことから発覚した。当時、この中年男性は顔面蒼白で「肛門に“湯のみ”がある」と告白してきたそうで、医師が詳しい話を聞いたところ、その日の午前2時に“湯のみ”を肛門に挿入。理由は便秘解消のためで、“湯のみ”で肛門を拡張しようとしたのだという。すでに別の病院で一度診てもらったものの、その病院では「手の施しようがない」とあきらめられ、別の病院に駆け込んできたというわけだ。

肛門科主任医師の李先生が男性のレントゲン写真を確認すると、それはやっかい極まりないものであることがすぐにわかった。“湯のみ”はガラス製で表面がツルツル、とても掴みにくく、また、前の病院の医師の杜撰な“処置”のせいで一部破損している状態だったからだ。そのため、引き抜くさいに力の入れ加減や角度を間違えると、“湯のみ”は腸内で粉々になり、患者の命を脅かす危険性があった。

しかし、李先生はその道のプロ。密かに自信も抱いていたようで、「腹腔手術をする必要はない」と判断。まず金属製の器具に滑り止めカバーを装着し、“湯のみ”を3点で固定。角度を調整した後、3人の医師が協力して慎重に作業しながら“湯のみ”を無事引き抜くことに成功したのだった。摘出された後にわかったことだが、肛門に挿入されていた“湯のみ”は実際にはビールグラスで、引き抜くと同時に長い時間圧迫されていた影響ですぐに砕け散ったという。ビールグラスは男性の肛門に午前2時に挿入されており、摘出されたのは約8時間後のことだった。

李先生の話によれば、同様のケースは年に4〜5回あるとのこと。ナスやビール瓶、木の棒など肛門に挿入される“異物”はさまざまであるらしいが、便秘だからといってこうした行為に出るのは「軽率でかなりの危険を伴う」と戒めている。