満員電車の中でその車内放送が流れた時、通勤に向かう人たちは呆然としたという。英紙イブニング・スタンダードなどによると、サウス・ウェスト・トレインズの電車がベイジングストーク駅を出た時に、「これから電車は缶詰のイワシのようにぎゅうぎゅう詰めになります。ですから、スリムな人だけ3人掛けの席に座ってください」「もしお客様が太っていらっしゃるならどうぞ座らないで」との車内放送が流れた。
冗談というには不快すぎる内容として、乗客らによってすぐさま炎上。ある人は激怒してこう言った。
「私は必ずしも太っているわけではないが、ほとんどの人が鉄道会社の想定している一人分の座席サイズよりも身体は大きいのに」
そのほかにも「これはかなり嫌ですね。もし、私が職場でこんな事いったら解雇されます」といった反感を買ってしまう。
この車内放送の背景には、昨年12月、英国の元厚生大臣であるアン・ミルトンが「太った人が座席に座りたいと思うならまず痩せるべき」とSNSで発した言葉が元になっているようだが、サービスを提供する側にとっては、冗談としてふさわしいものではなかったようだ。
こうした事態に鉄道会社は、この放送が軽い気持ちで発されたものであること、そして多くの人たちにとって好ましいものではなかったとして謝罪。さらに、国で最も混雑する電車を運行しており、そのために電車の空間に余裕がないことを認識しており、現在、座席や空間を広げた新車両を開発中と発表した。
このニュースにネットの反応は「太った人は仕事に行くなということか」「立たせることでカロリーを消費させようという考えは実に正しい」「新しい車両のために、デブには2人分の乗車券を買わせるつもりなのだろう」「私の妻は身体的な理由で座らざるをえないのだが、こうした人たちへの敬意をも欠いている。解雇されるべきだろう」とシニカルな意見が多く寄せられているようだ。