どれが大事か見失った大事MAN、元ボーカルの立川俊之が語る“大事な事”。

2015/01/30 15:43 Written by Narinari.com編集部

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約160万枚のヒットを飛ばした「それが大事」で知られる、元大事MANブラザーズバンドの立川俊之が、1月29日に放送されたバラエティ番組「しくじり先生」(テレビ朝日系)に出演。過去の失敗と共に、“大事なこと”などについて語った。

自ら“しつこい曲”と表現する大ヒット曲「それが大事」を24年間歌い続けたところ、歌いすぎて「何が大事かわからなくなった」という立川。大事MANブラザーズバンド時代、シングル14枚、アルバム10枚で計80曲以上を発表していたが、いずれも「それが大事」のようなインパクトを残すことができず、「自分で作ったハードルを越えられなかった」と振り返る。

大ヒットした当時、寝る間もないほどのスケジュールが詰め込まれ、落ち着いて次の曲を作る暇もないほど駆け抜けた日々。すると、次第に「それが大事」の前向きな歌詞とは全く逆、気持ちが負け、すべてを投げ出したくなり、現実から逃げたくなり、誰も信じられなくなる……といった状況になり、どれが大事なのかわからなくなってしまったそうだ。

そんな立川が、“最大のしくじり”と感じているのは「バンド名」。かつて雑誌のインタビューでは「本来、人間って信じ合うことだと思う。そのへんのことをひとつひとつ大事にしたい。それを歌にできたらいいなって。その思いと、好きなオールマンブラザーズバンドをくっつけて、“大事MANブラザーズバンド”になったわけです」とバンド名の由来を語っていたが、これは「大嘘でございます」「(嘘は)まずいですよね。(僕らの)捏造ですからね」。この発言は、会社側から「そういう風に言え」と指示され、語ったものだったという。

会社がそう指示したのは「(バンド名)の由来がそのままじゃマズい」との理由から。本来の由来は「なんか語呂がいいよね〜(居酒屋にて)」と、かなり適当なノリだったそうだ。

また、ミリオンセラーアーティストの立場と、CDの最多購買層が10〜20代(2013年時点)というデータから、「なぜ大人になるにつれてCDを買わなくなるのか」を分析。立川いわく「人生経験を積むと、共感できる歌が少なくなる」からで、「人生が歌詞を越えてくると『とは言ってもね』みたいな。『負けない事』とか言ってもね、『投げ出さない事』とか言われてもね、うるせえっ!!って思うじゃないですか」「『君を守り抜くよ』とか『生涯離さない』とか、嘘つけ!!」と語り、「人生経験と積むと、歌詞なんてどうせ陳腐じゃねぇか」と思う結果、CDも買わなくなると結論づけた。

現在も立川は音楽活動を続けているが、「歌で伝えたいことがない」とのこと。「経験を積むと、どれを言っても陳腐に思える」ようになったため、「(楽曲は)もはや作らない」ことに決めて、カバーソングを歌う活動をしているという。

最後は「負けない事」「投げ出さない事」「逃げ出さない事」「信じ抜く事」の4つの中から、「結局、何が一番大事なのか」との問題を出題。立川の答えは「どれも大事じゃない」としたが、大ヒット後の24年間でたどり着いた本当の想いは「自分にとって、何が一番大事か考えていく事が大事」と語り、この日の講義をまとめた。

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