プライバシーに関わる情報が満載なだけに、SNSなどのアカウントを乗っ取られると、いろいろと面倒なことになる。場合によっては人に知られたくない“秘密”なども暴露され、実生活に深刻な影響を及ぼすこともあるだろう。中国では先日、メッセンジャーアプリのアカウントを乗っ取られた30代の女性が絶望。遺書を記して自殺未遂を起こす騒ぎがあった。
中国紙重慶商報などによると、6月13日の午前1時過ぎ、重慶市の飲食店に30代過ぎの女性が現れ、串焼きとビールを注文。ひとりで晩酌を始めたそうだ。
女性はビールを1本飲み終えると、店員のカクさんに紙とペンを要求。その後、2本目のビールを飲み終えたころにはなぜか泣き始め、ビールを飲んでは紙に何かを書き記す行為を繰り返し、ときおり「旦那に申し訳ない、母親に申し訳ない」などと悔恨の言葉を漏らすとともに、自殺をほのめかすような言葉も呟いていたという。
30分もしないうちに女性は4本のビールを飲み干し、続けて5本目を注文。そしてそれもあっという間に飲み干して会計を済ませると、女性は銀行のキャッシュカードを店内にいたカクさんの母親に手渡し、同店の馴染み客である周さんに手渡すようにと伝え、その場を去っていった。
そのとき、外は大雨。嫌な予感がしたカクさんが女性の座っていた席を確認すると、そこにはさきほど手渡した紙に遺書のようなものが記されており、店にいた彼氏と2人ですぐに後を追いかけることにした。
カクさんと彼氏は数百メートル走って何とか女性に追いついたが、女性の足は止まらない。ひたすら進み続け、「川に飛び込むのよ」とただそれだけ。結局、カクさんたちは2キロほど女性と一緒に歩き続け、長江のすぐ手前まで来たとき、強引に女性の手を引っ張って工事現場内の小屋に連れ込み、警察に通報することにした。
結局、女性はカクさんたちに守られたおかげで自殺は未遂に終わったわけだが、後に判明したのがその驚きの理由だ。
林というこの女性の話によれば、先日、彼女のメッセンジャーアプリ「QQ」のアカウントを元同級生に乗っ取られ、自身のプロフィール画像を犬や猫に変えられたのだという。それだけ聞くと「なんでそんなことで?」と思うところだが、本人にとっては深刻な問題、辛抱ならなかったようで、自殺しようと思い詰めるに至ったそうだ。