死迫る父が贈る愛の紙ナプキン、14歳娘の昼食時に毎日メッセージ。

2014/01/31 09:48 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


数年前から腎臓がんを患い、人生の終わりをいつ迎えてもおかしくないと宣告されている米国のある男性には、いま、必死に取り組んでいることがあるという。それは、14歳の娘が毎日学校での昼食時に使う紙ナプキンに、自分が伝えたいメッセージを書くこと。自分が死んでも素晴らしい女性へと成長してもらいたい、そう願う一心で、彼は娘が幼稚園の頃から始めた習慣を、自分の死後になるかもしれない高校卒業まで続られるようにと、“メッセージナプキン”を書き溜める作業を行っている。

米ニュースサイトTODAY.comや米紙ロサンゼルス・タイムズなどによると、娘に贈るメッセージナプキン作りをしているのはバージニア州クレンアレンに住む44歳の男性、ガース・キャラハンさん。数年前に腎臓がんを患った彼は、2回の手術を経験したものの残念ながら病状は進行し続けており、医者から5年の生存確率が8%と宣告された。ただ「どの親でも心臓発作にかかる可能性はあるし、がんに限った話ではない」と話す彼は、死に対する恐怖を感じるよりは、前向きに残りの時間を過ごそうと考えている様子。そんな彼が抱える一番の気がかりが、現在14歳になっている娘エマさんの存在だ。

「本当に、エマが成熟した素晴らしい女性に成長する手助けをしたかった」というキャラハンさん。昔からその想いに駆られていた彼は、娘が幼稚園に通っていた時から、お弁当の中に入れるナプキンへ彼女を励ます言葉を書いたナプキンを持たせるようにしたという。最初はときどき忍ばせ、娘がスポーツの試合に臨む時に応援するメッセージを書き添えるといった程度だったそうだが、やがて有名人の名言などを用いた人生に対する父からの教えなども書くようになり、5年ほど前からは毎日のメッセージナプキン作りが彼の習慣となった。

そうした中で、突然人生の最期が近くに迫って来たキャラハンさん。娘が立派な女性になるのを見届けたくても、願いが叶う可能性は少ないと考えた彼は、自分が死んだ後も彼女に「エマのことをどれだけ愛しているか」を分かってもらいたいと、彼女が高校を卒業するまでは確実に親子の習慣が続けられるように、自分の人生哲学を伝えるメッセージナプキンを書き溜め始めたという。高校卒業までの登校日数を数えた彼が、用意しようと決めたナプキンの数は826枚。そして、昨年11月から毎日渡す分の他に将来の分も書き溜め始めた彼は、最近までに740枚分を完成させたそうで、このペースで行けば数週間以内には目標の枚数に到達する見込みだ。

ゲームを楽しんだり一緒に食事をしたりと、普段から仲良く過ごしている父と娘が互いに大事にしているというメッセージナプキン。「全力を心掛けなさい、そうすれば成し遂げられる」「楽な人生を願ってはいけない、苦難に耐える強さを願いなさい」――。そんな父からのメッセージが書かれたナプキンをエマさんも「大好き」と話し、今では周りの友人たちも父の言葉を気にするようになっているという。

そして最近、娘の成長を実感できる嬉しい出来事があったそう。先日、仕事中に昼食を食べようとしてお弁当を開けると、1枚の紙ナプキンが入っていたという。初めて娘から送られたナプキンには「あなたの娘はリーダーであり、従う人ではない」と書かれていたそうで、毎日父の教えを受けて来た娘は、着実に自分をしっかり持った立派な大人へと成長しているようだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.