中国で“便座ホテル”が話題に、やり玉に挙がる奇抜デザインの建築物。

2012/11/26 12:09 Written by Narinari.com編集部

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中国のネットをたびたび賑わすヘンテコなデザインの建築物。このほど話題を呼んだのは、“便座型”をした7つ星ホテルだ。

中国メディア南海網などによると、注目を集めているのは浙江省湖州市の太湖にあるシェラトン温泉リゾートホテル。同ホテルは上海飛洲集団が15億元(約198億円)を投じて建設した高さ101.2メートル、敷地面積5万平方メートルの巨大な7つ星ホテルで、デザインは世界的に有名な建築設計事務所「MAD」(主宰は馬岩松氏。日本人建築家の早野洋介氏も携わっている)が担当した。

このホテルが最近、ネットユーザーから「便座に似ている」と指摘されたことを発端に、多くのメディアが相次いで取り上げるまでの騒ぎに発展している。ホテルは湖面からアーチを描くようなデザインをしているが、それがまるで“天に向かってそびえ立つ便座”に見えるというのだ。

実際、中国のネットにアップロードされている写真を確認してみると、確かに便座と言われれば見えなくもないが、建物自体にかなり厚みがあるため、フラットな便座と比べるのは少々こじつけとも言える。ただ、ネットユーザーはこのホテルが湖畔(水辺)に位置する立地面なども含め、「大きな便座」と揶揄しているようだ。

今回のように、中国のネットユーザーから「デザインがおかしい」として妙なあだ名を授けられ、注目を浴びた建築物はたくさんある。有名なケースとしては、北京市の中国中央電視台(CCTV)本部ビルが“大パンツ”“鳥の足”などと揶揄されたのをはじめ、今年だけでも浙江省杭州市の杭州奥体博覧城(体育館)のイメージデザインが“ビキニビル”、江蘇省蘇州市の金鶏湖の湖畔に建設中のビルが“ももひきビル”、重慶市の国泰芸術センターが“火鍋箸”(普通の箸よりも長い箸)、大手酒メーカー2社が建設した“酒瓶ビル”など、多くの建築物がネットユーザーの標的となった。

そのため、一部の専門家や実際に建築に携わっている関係者からは不満の声が続々。合肥工業大学の助教授は「(デザインは)少しも奇怪には思わない」と話すとともに、「建築は公衆芸術であり、人によって意見が異なって当然」とクギを刺している。また、浙江省社会科学院の助理研究員も「(ネットユーザーは)何でも批判したがる」とし、「どうしてデザイナーや実際の客の声に耳を傾けようとしないのだ」と、安易に揶揄する人たちに不満や怒りが収まらないようだ。

一方、一部のネットユーザーはこうした意見に対して「どう呼ぼうと自由だろ」などと反発。中国の“ヘンテコ建築物騒動”は今後もしばらく続きそうな気配だ。

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