髭から採取の酵母菌でビール、冗談で調べたら「最適なモノを発見」。

2012/09/30 08:20 Written by Narinari.com編集部

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心地良い苦みで、大人の喉を潤してくれるビール。そのビール作りに欠かせない材料の1つが、アルコール発酵を促す酵母菌だ。米国のある醸造所では最近、新たな酵母菌株を見つけようと調査をしていた。ところが、期待に添う良質な菌が発見されず困っていたときに、醸造責任者の男性が冗談のつもりで、34年間伸ばし続けた自分のひげを「調べてみて」と提案。すると、彼のひげから発酵に“最適”な酵母菌が見つかり、醸造所では来年にもこの菌を使ったビールの販売を予定しているという。

米放送局FOX系列KPTVやNBC系列KGW-TVによると、髭から採取した酵母菌でビール作りを行うのは、オレゴン州ニューポートにある「ローグ・エールス」というビール醸造所。最近、製造に携わる社員たちの間で「新しい酵母菌の株を見つけよう」との意見がまとまり、自社農場から見つからないか、研究室に調査を依頼したものの結果は思わしくなく、菌探しは行き詰ってしまった。

そんなとき、同社のブレット・ジョイス社長から「ほかの場所を探してみないのか?」と言われた社員たちは着眼点を変え、醸造責任者のジョン・マイアーさんがずっと伸ばし続けている口ひげに注目。「1978年から全く剃ってないんだ」と話す彼のひげは、確かに口の周りで長い毛が豊かに伸ばされており、ただならぬ“密集感”を漂わせている。そんな彼の「調べてみて」との提案を周りも面白がり、研究員は慎重に根元から9本のひげを採取し、テストを実施した。

するとその結果、彼のひげからビールに「最適な酵母菌」を発見。冗談のつもりが思わぬ結果を生み出したことに、長年ビール製造に携わっているマイアーさんでさえ、「酵母菌はどこにでもあるものだけど、なぜひげにあったのか」と首を傾げ、驚いているそうだ。しかも、その後詳細な調査をしたところ、彼のひげから見つかった菌は「同社で使用している種ではない」(ローグ・エールス公式サイトより)と判明。研究員たちも「驚いた」という“ひげの菌”は、新ビールでの利用にゴーサインが出されたという。

2013年の製品化を目指し、現在開発作業を続けている“口ひげビール”。責任者として試飲したというマイアーさんによると、注目の味は「若干スパイシーな感じ」だそうだ。今のところ新ビールの名前はまだ決まっていないが、「飲む人がラベルを見て“ひげのビールだ”と分かるようでなければ」とマイアーさんは考えている。

果たして人のひげから採取した菌で作ったビールがどのようなものなのか、良くも悪くも大いに気になるところだ。

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