エアロ新作にJ・デップも参戦、サプライズ満載の11年振りアルバム。

2012/09/07 17:10 Written by Narinari.com編集部

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エアロスミスの11年振りのオリジナル・アルバム「ミュージック・フロム・アナザー・ディメンション」が11月7日に発売される。ニュー・アルバムの詳細については、これまでメンバー自らが発信してきたツイッターや、メディアを通して断片的には伝わって来ていたものの、発売元のソニー・ミュージックからの正式な発表は一切無かった。それはアルバム内容に関する最終決定がなされていなかったため。大満足の内容に仕上がったアルバムに興奮したメンバーが抑え切れずに最終決定前の情報をついつい漏らしてしまっていたというのが真相だが、ここに来てついにレーベルから公式情報が発表された。

その内容からは、メンバーの新作に対する並々ならぬ情熱とファン・サービス精神が詰まったものであることを伺い知ることができる。今回、オリジナル・アルバムとしてはエアロ史上初となる通常盤とデラックス盤の2種類が同時発売され、通常盤(1CD)には15曲収録、日本盤のみのボーナス・トラックを含めると全16曲が収録される。これはCD収録可能分数のほぼ上限サイズだ。

気になるデラックス盤のほうは2CD+DVDの3枚組となり、2枚目のCDにはさらなる新曲が、3枚目のDVDには初期の代表曲である「ラッツ・イン・ザ・セラー」「セイム・オールド・ソング・アンド・ダンス」「トレイン・ケプト・ア・ローリン」、新曲の「オー・イェー」のライヴ映像が収録される。ライヴ映像が商品化されるのは2005年発売のライヴ盤「ロッキン・ザ・ジョイント」の初回生産限定盤の特典映像以来、実に7年振りのことだ。

ほかにもメンバーの最新インタビュー映像などを収録。また、DISC-1に収録される日本盤のみのボーナス・トラックには、テンプテーションズの1975年発売のシングル「シェイキー・グラウンド」のカヴァーが収録されることも決定した。なお、今回の発表内容は5月ごろに海外サイトなどで掲載された収録曲、曲順、曲数とは異なっている。

そして、アルバムのゲスト陣にも要注目だ。まず驚かされるのは、人気ハリウッド俳優のジョニー・デップが「フリーダム・ファイター」という、エアロにしては珍しい政治的な色合いを出した楽曲でゲスト・ヴォーカルとして参加している点。ジョニー・デップはエアロのメンバーと以前より親交があり、先月6日のエアロのロサンゼルス公演では、アンコールでギターを片手にいきなり登場し、ライヴの最後を締めくくる「トレイン・ケプト・ア・ローリン」を一緒に演奏した。終演後にはスティーヴンからまるでメンバーの一員のように「ギターのジョニー・デップ!」と紹介されるなど、ロスの観客も大いに盛り上がったそうだ。

また、「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」というバラードでは、スティーヴンが今年まで審査員を務めていたオーディション番組「アメリカン・アイドル」の優勝者で、その後グラミー賞最優秀新人賞(2007年)など音楽賞を総ナメした全米の人気歌姫キャリー・アンダーウッドがデュエットのお相手として大抜擢され、息の合った見事な歌唱を披露しているという。エアロのアルバムにデュエット曲が収録されるのはバンド史上初のことだ。

そして、さらなる驚きがもう1つ。ジョー・ペリーとブラッド・ウィットフォードが脱退していた1980年初頭にエアロのギタリスト務めていたリック・デュフェイが今回参加しているというのだ。一体どういった経緯で参加に至ったかはまだ明らかになってはいないが、彼がアルバムに参加するのは実に30年振りのことになる。

昨夏よりバンドの地元であるボストンとロサンゼルスを行き来しながら行なわれてきたレコーディングが、約1年かけてついに完了した。プロデュースはエアロの“第一次黄金期”を手掛けたジャック・ダグラスにスティーヴンとジョーが共同プロデューサーとして加わった形で行なわれ、例外的に3曲のみ、「ナイン・ライヴズ」(1997年)以来、エアロの数多くの作品で多大な貢献をしてきたプロデューサー/ソングライターのマーティ・フレデリクセンとスティーヴンの2人が手掛けている。今回のニュー・アルバムは、つまるところ、40年間のバンドの歴史を総括するような布陣で制作され、なおかつ新たな要素を入れることも忘れないという、彼らの何世代にも渡る幅広いファンのことを考えた、実によく練られた作品に仕上がったということだろう。

20代の頃のようにワイルドにロックすることを忘れず、30代で確立したエアロだけのオリジナル・スタイルをより強固なものにし、さらに40代で手に入れた未曾有の成功物語の要因となったバラードを散りばめる。まさに、このバンドのあらゆる魅力を内包し、さらに未来へと果敢に前進し続ける姿を封じ込めた本作は、エアロだけが鳴らすことができる“異次元より届けられた音楽”なのだ。

最後に、スティーヴンとジョーというロック界最強のダブル・フロントマンから最新のコメントが寄せられた。

「10年アルバムを出せなかったんじゃないだ。俺たちはアルバムの準備で10年間忙しかっただけなんだ!」(スティーヴン・タイラー)

「このアルバムは、オリジナル・メンバーで再結成した1984年以来ずっと作りたいと思っていた作品なんだ。今回は、メンバー5人が一つの部屋に集まって『音量上げてくれ!』とお互い叫び合いながら聴くような作品になっているんだ。」(ジョー・ペリー)

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