海底に沈む“謎の物体”に新説、潜水艦の航行妨げる兵器だった?

2012/07/16 11:32 Written by Narinari.com編集部

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昨年8月、スウェーデンの海底探査社が発見した、北欧バルト海の海底に沈む巨大な2つの“謎の物体”。直径60メートルと推測される円盤状の形に現れた音波探査の写真は高い注目を集め、欧米メディアを中心に「UFOでは?」と大きな話題となった。それから約1年、探査社では引き続き分析・研究を続けているものの、依然“謎の物体”が何なのかは不明のまま。そうした中、少しずつ明らかになってきた探査結果をもとに、スウェーデンの軍事専門家が新説を示し、研究チームの関係者も「有力な見方」と発言したため、再び注目を集めている。

発見以来、バルト海に沈む“謎の物体”の研究を続けているのは、スウェーデンの海底探査社オーシャン・エクスプローラー。昨年8月、過去に沈んだ難破船の捜索活動を行っていた同社の専門家チームは、港への帰還途中に音波探査を行っていたところ、たまたま約90メートル下の海底にある2つの物体を見つけた。長年の探査経験を持つメンバーでも、奇妙な形に「見たことがない」と驚いたという物体発見の情報は、間もなく欧米メディアから注目されて大きな話題に。資金面の問題から引き上げが見送られている影響もあって、謎の物体の正体は未だ解明されておらず、なおミステリーとして関心を集めている。

映画「スター・ウォーズ」に登場する宇宙船「ミレニアム・ファルコン」に形状が似ていることから、多くの人から「UFOでは?」とも期待された2つの謎の物体。同社では海が穏やかになる初夏を待って、今年6月にダイビングで物体への接近を試みる調査を再開した。その結果、物体は「金属ではない」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)と分かり、研究チームは「明らかにUFOではない」と初めてUFO説を否定。自然に形成された「岩ではないか」との見解も示した。

ところがその後、調査を重ねていくうちに不可解な点も次々と明らかになった。研究チームが米情報サイトのアースファイルズに投稿したレポートによると、物体には自然現象としては考えられない「箱型」の構造部分があることを発見。また、ダイビングチームが用意していた電子機器類が「(物体の)200メートル以内に接近すると働かなくなる」(英紙デイリー・メールより)という不思議な現象も起きたそうだ。

こうして、少しずつ明らかになり始めて来た中、6月の調査報告を受け、元スウェーデン海軍隊員で第二次世界大戦を研究する軍事専門家アンデシュ・アウテリュシュ氏が、「ナチスドイツが使用した兵器ではないか」とする見方を示した。発見の一報が出た昨年の時点で「ナチスが秘密裏に開発したUFO説」は出ていたが、彼が考える物体像はもっと現実的な兵器。それは敵国潜水艦が使用する信号を妨げるもので、元は英国でも作られた、コンクリート製の物体に鉄のワイヤーがメッシュ状に組み込まれていた物体だったのではと考えているという。彼は研究チームの計器類が作動しなくなった話から推測したと話し、物体のある場所が「ナチスドイツの潜水艦が通る航路上」である点にも注目したそうだ。

彼の説に対しては、オーシャン・エクスプローラー側の関係者も「有力な見方」と発言。現在唱えられている説の中では、最も考え得る見方の1つと注目されている。研究チームでは、7月9日から21日までの予定で2度目の調査を実施しており、新たに新説を裏付ける発見を得られるかが、期待されるところだ。

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