延々続いたPK戦が50人目で決着、両チーム譲らず2日間にわたり死闘。

2012/02/28 09:39 Written by Narinari.com編集部

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サッカーの試合で互いのチームが譲らない場合、最後の決着を付けるために行われるPK戦。多くは長時間の試合とは対照的にあっさりと勝負がついてしまうものだが、日本では2010年11月の全国高校サッカー選手権福岡大会決勝で、九州国際大学付属高校と東福岡高校が22巡44人のPK戦を繰り広げ話題を呼んだ。しかしこのほど、米国の高校サッカーでこれを上回る50人のPK戦が2日にまたいで行われ、米国内で話題を呼んでいるようだ。

米紙ロサンゼルス・タイムズや米スポーツ専門局ESPNなどによると、この試合は2月21日に行われた、カリフォルニア州サンディエゴのビショップズ・オブ・ラ・ホーヤ高校vs.サンディエゴ・クロフォード高校の一戦。両校の試合は午後3時30分から始まり、延長戦を行っても同点のまま両者譲らず、決着の行方はPK戦へともつれ込んだ。しかし両校の選手や関係者にとっては、ここからが本当の死闘と呼ぶべき対決だった。

最初の5巡10人でも決着がつかなかったPK戦は共に一歩も引かず、20人目、30人目とさらに続く。そうこうしてる間に21巡42人目にまで達し、スコアは18-18と依然同点。そして両校の意地がぶつかり合う膠着状態に、ついに審判が決断を下した。この時点で試合開始から2時間半が過ぎており、時間は午後6時。辺りはすっかり暗くなり、「ゴールキーパーの視野が確保できず、あまりに危険」と判断し、翌日にPK戦を再開することが決定したそうだ。

この決定には、両校の関係者たちもビックリ。どうせ翌日に決着が持ち越されるのなら、もう一度初めから再試合にしてくれたほうが「気持ちの整理が付く」と両校のコーチは話し合ったという。しかし、この試合はカリフォルニア州学校教育連盟(CIF)が主催する公式試合だったため、試合決着方法の判断はCIFサンディエゴ支部が決めることに。その結果「勝者が決まるまでPKを続ける」と決まり、2日にわたってPK戦が繰り広げられる運びとなった。

そして迎えた2月22日、両校の選手たちは再び試合会場に集まり、今度はPK戦だけの試合を再開。ただ「新しいセットから」(ESPNより)として、もう1度5人ずつ蹴り合うとされた勝負だったが、時間があいたことで両校の気持ちに差が現れてしまったようだ。4人中3人が成功した先攻のビショップズ高に対し、後攻のクロフォード高は成功1つと後がなくなり、4巡目で50人目となった同校選手がゴールを外してしまい、試合はようやく終了を迎えた。

結果、21-19のPKスコアでビショップズ高校の勝利となったこの試合。同校のマルコム・トーヴィーコーチも「信じられない試合だった」と驚くだけに、実際に戦った選手たちにも強烈な印象が残る試合となったようで、4人目のキッカーとして勝利のゴールを決めたマット・ハリスくんは「こんな経験したことがない」と語ると、「蹴るごとにみんながナーバスになっていた」と、試合中の選手たちの胸中も明かしている。

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