ビールで絵を描く女性芸術家、“絵の具の代わりにコーヒー”に続く新作。

2011/11/28 03:16 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


一口に絵と言っても水彩画に油絵、貼り絵や版画など、その表現方法にはさまざまな手法がある。その上、中には自分で見つけた材料や技術を使って、ほかでは味わえない独自の作品を生み出すアーティストもいるから、芸術の世界は実に奥が深いものだ。米国のカレン・エランドさんという女性は、コーヒーを絵の具にした絵を描くことで知られた画家。そのエランドさんが、今度は絵の具をコーヒーからビールに変え、新たに作品を生み出している。

コーヒーに絵と聞けば、最近はコーヒーに注ぐミルクの泡に描く「ラテ・アート」を思い浮かべる人が少なくないかもしれない。しかしエランドさんが生み出すのは、キャンバスにコーヒーを塗って仕上げる絵だ。少女時代から絵を描き続けて芸術の道を志し、38歳の現在ではすっかり立派なアーティストとなったエランドさんが、コーヒーで描くアイデアに行き着いたのは1998年のことだった。

さまざまな喫茶店へ働きに出るほど、もともとコーヒーが大好きだったというエランドさん。オクラホマ州にある喫茶店で働いていた当時、彼女は機械から注がれるエスプレッソコーヒーを見て、その美しい茶色に見とれてしまったそうだ。そこで「(キャンバスに)コーヒーを塗ったら、どんな色に染まるのだろう」(英紙デイリー・メールより)と考えたエランドさんは、それからコーヒーを絵の具代わりにして絵を描き始めた。

そんな彼女は、現在はオレゴン州ベンドを拠点に創作活動を続けている。絵を描く手段としていろいろな食べ物や飲み物を使う彼女が、このたび新たに着目したのはビールだった。コーヒーよりも色が薄いビールは「水彩画よりちょっと難しい」そう。しかし時間をかけてビールを塗り重ねていくことで、彼女は色の濃淡を巧みに利用し、数日で驚くほど繊細な絵の世界を表現してしまう。

彼女の公式サイトにはビールで描かれた作品がコーヒーの作品と併せて数々紹介されているが、使いやすいというラガービールの絵の具からは、セピア色のような哀愁を漂わせる独特の印象が感じられる。

先日はカリフォルニア州サンディエゴで開かれたビールフェアで展示会を開き、「その中の1枚が1万5,500ドル(約119万円)で売れた」というほど、順調な創作活動を続けるエランドさん。ただ、仕事に入る前についビールの味を確かめるため、絵を描くのに「いつも充分な量が残らない」のが今唯一の悩みだそうだ。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.