「宿題イヤ」女児集団飛び降り、宿題めぐるトラブルが問題化する中国で。

2011/09/22 13:56 Written by Narinari.com編集部

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子どもの頃、宿題に追われて苦しんだという思い出がある人も多いかもしれない。昨今の中国でも、子どもたちに課せられる宿題の多さがある種の社会問題となっており、宿題がきっかけで起きた事件や事故がしばしば報じられている。そうした中、先日、中国の江西省で起きた一件は、宿題を苦にした女児3人が飛び降り自殺を図るというショッキングな出来事だった。

中国紙江南都市報などによると、9月19日午後、江西省九江市の救急病院に女児3人が運び込まれた。その身体には傷が見られ、口から血を流している子もいたという。

3人は全員、賽陽中心小学校の生徒で、年齢は10歳前後。この日の午前中、3人は一緒に宿題をしていたのだが、なかなか終わらせることができず途方に暮れていた。すると、1人が突然「飛び降り」を提案。当初、ほかの2人は「飛び降りなんて怖い」と抵抗したものの、宿題を終えていなければ教師から厳しく罰せられることは十分理解していたため、「飛び降りることで宿題をやらなくて済むのなら」と、最終的にはこの提案を受け入れることにした。

そのとき、女児の1人には連れ添っていた7歳の弟がいたが、「2人とも死ぬわけにはいかない。家族が悲しむ」と、先に弟を家に帰らせたそう。それから3人は村にある家屋の2階までよじ上り、皆で手をつないで一斉に飛び降りた。

ただ、幸い飛び降りた場所が2階だったため、3人とも命に別条はなし。しかし、一人は内臓挫傷や肩甲骨骨折などの重傷を負い、ほかの2人も軽傷では済まなかった。

この件について病院で取材を受けた小学校の校長は「警察の話では、2階までよじ上った子どもたちが降りられなくなり、仕方なく飛び降りたと聞いています」と話し、あくまでも今回の事故は自殺行為ではなく、「偶然起きた事故」との見解を示している。また、学校が課していた宿題の量は「自殺をするほどの量ではない」とし、学校側は飛び降りと宿題との因果関係はないと主張しているようだ。

なお、中国では小学校高学年の宿題の量は「1時間程度で終わる量」との基準が定められているが、この決まりを無視している学校は少なくない。特に学力競争が激しい重点学校(エリート養成学校)に通う子どもたちは、毎日多くの宿題を出され、ストレスを抱えているという。

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