金盗んだ息子を吊して鞭打ち、過激な体罰目撃の市民は恐れおののく。

2011/08/17 13:20 Written by Narinari.com編集部

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我が子を叱るため、ときに保護者は手をあげることもあるが、それが度を超してしまえばただの暴力となる。中国ではこのたび、親のお金を盗んだ子どもが街頭で吊るし上げられ、さらに鞭打たれるという過激な体罰が目撃された。その一部始終を目にした市民は、「こんな恐ろしい教育は見たことがない」と恐れおののいたという。

中国メディア新民網によると、この一件は8月14日午前、上海市浦東新区にあるラオ山四村でのこと。現場を目撃した寧さんは、外出しようと家の外に出たところ、子どもの痛ましい叫び声を耳にした。団地の建物の前には多くの人だかりができており、よくよく見ると2メートルほどの高さの物干し竿に、手足を縄で縛られた少年が吊るし上げられている。その傍らでは、中年男性が恐ろしい形相で革ベルトを握っていた。

そして、男性はおもむろにベルトで少年を連打。周囲には少年の「もうやりません!」と泣き叫ぶ声が響き渡ったという。市民はこのむごい体罰を何とか制止しようとするが止められず、最終的に鞭打ちは30分近くも続き、市民によって警察に通報されることになった。

後に判明したのは、この少年は安徽省の学校に通う12歳の男の子で、夏休みを利用して、出稼ぎ労働者として上海で働く両親のもとを訪れていたとのこと。少年はそこで勉強もせずゲームに没頭する“怠惰な生活”を送っており、両親から常に叱られていたという伏線があった。そうした日々の中、あろうことか親が汗水たらして稼いだ家賃を盗むという悪事を働き、しかもその盗んだお金はほとんど使い果たしてしまったそう。これまで我慢していた両親もついに堪忍袋の緒が切れてしまい、このような過激な体罰をするに至ったという。

自分たちの生活を切り詰め、子どものために必死にお金を稼いでいる両親の立場で考えれば、怒りそのものは理解できなくはないが、やはり過度な暴力に走るのは誤った教育だろう。この件について意見を求められた上海匯業弁護士事務所の呉冬さんも、「これは典型的な家庭内暴力」とバッサリ。こうした経験は子どもにとってトラウマになりやすく、大人に成長したときに反社会的、暴力的性格を生みやすいとし、保護者に自重を促している。

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