有名人の“食べ残し”集め展示、英国の小さな博物館が閉鎖のため売却へ。

2011/08/15 13:49 Written by Narinari.com編集部

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例えばパンの切れ端やチーズの欠片など、誰が口にしたとも分からない食べ物の残りを目にしたら、多くの人はゴミとして扱うに違いない。しかし、もしそれが有名人の食べ残しだとしたら、“お宝”としての価値が生まれるのだろうか。英国南西部にあるキングサンドという海岸沿いの村には、そうした有名人の食べ残しを集めて展示している小さな博物館があるそう。ただ、残念ながらそれらを見られる時間は、もうほとんど残されていないようだ。

英紙デイリー・テレグラフなどによると、この博物館は村に住むマイケル・ベネットさん、フランセスカさん夫妻が営むカフェに併設されている、その名も“有名人の残り物博物館”。博物館と銘打たれているものの、その全体像はカップの容器が整然と並べられた、ただの青い棚だ。しかし、ここにはあのチャールズ皇太子の食べ残しも並んでいるというから、入場無料なら一見の価値はあったかもしれない。

夫妻がこの博物館を始めたのは2004年のこと。英国で有名なカメラマンのデイビッド・ベイリー氏が夫妻のカフェを訪れ、チーズとトマトのサンドイッチを注文した。そしてベイリー氏が食べた後には、いくつものパンくずやパンの耳が残されており、これを見た夫妻は有名人が訪れた記念として店内に展示。これが“残り物博物館”の始まりだった。

海岸沿いの景勝地という立地も手伝い、カフェには当人たちが「驚くほど」(英紙ガーディアンより)と話すほど、さまざまな有名人が来店したそう。その中には誰もが知っているチャールズ皇太子をはじめ、英歌手のピート・ドハーティ、ティム・バートン監督の映画「アリス・イン・ワンダーランド」で主演したミア・ワシコウスカなど、歌手や俳優、キャスターといった面々が含まれ、彼らが残したさまざまな“食べ残し”は20点にも及ぶ。

ところが、カフェを閉じる決意をした夫妻は店を売却することになり、同時に展示していた博物館の貴重な(?)資料の数々も売りに出した。なお、機密性の高い容器の中で保存されてきただけに、それぞれの食べ残しは概ね保存状態は良好だという。

デイリー・テレグラフ紙に掲載された売却リストを見ると、チャールズ皇太子が残したパンプディングには300ポンド(約3万8,000円)の売値を付けているが、あとは100ポンド(約1万2,800円)から50ポンド(約6,400円)と、比較的お手頃な価格が並ぶ。夫妻のその後の予定は不明だが、2人の思い出も詰まった有名人のお宝の売却益は、すべてチャリティーへ寄付するそうだ。

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