昔から世界各国で信仰の対象として崇められてきたヘビは、日本でも“幸運の象徴”と捉えられることもあるが、中国では先日、ある男性が「運気を上げるため」と、無数のヘビを村に放す出来事があった。これにより、村は一時パニックに陥ったという。　　

中国メディア東南快報などによると、この騒動が起きたのは福建省福安市松羅郷でのこと。ヘビは少なくとも松羅郷内の3つの村で確認され、その出現場所は道路や家の玄関など多岐に渡っていた。村人のひとりは「1日で10数匹のヘビを捕まえました」と話し、同地では「何千何万匹ものヘビが発生した。すべて毒蛇だ！」などと不確かな情報が伝わった影響もあり、中には農作業に集中できない人や山へ逃げ込んでしまう人も現れるなど、ちょっとしたパニックを引き起こしてしまう。

この騒動を知らされた地元派出所が念入りに捜査したところ、今回の“ヘビ騒動”の発端は一人の男性の迷惑な行為だと判明した。調べによると、同地で暮らす黄という男性が7月23日、福州花鳥市場にて15袋分のヘビを購入。正確な数字は把握できていないものの、当人曰く「恐らく1,000匹近く」で、購入理由は「ヘビで運気を上げるため」だった。そして大量購入したヘビを松羅郷内の村々で一斉に放したがために、村人たちは突然多くのヘビに悩まされるハメになったのだ。

すでに発見・捕獲されたのは、幸運にもすべて毒ヘビではなかったとのこと。ただ、いまだに発見されていないヘビも多く、それらすべてが無毒とは言い切れないという。そのため、地元政府は特別チームを編成・派遣。民家などにヘビが侵入しないよう忌避剤をまく作業に追われている。

幸運をもたらすとされているヘビ。しかし、今回は幸運どころか、災難をもたらしてしまったようだ。