トルシエ監督の深センが念願の初勝利で最下位脱出、巻選手も戦列復帰。

2011/05/23 05:59 Written by Narinari.com編集部

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5月21日・22日に、中国スーパーリーグ(1部リーグ)第8節が各地で行われた。元日本代表監督のトルシエ氏率いる深センは第7節終了時点で勝ち点1(0勝5敗1分け)の最下位。深センは第4節の江蘇戦が延期となったため、江蘇とともに他チームよりも1試合少ない状況だが、地元では成績が振るわないチームへの風当たりが日増しに強くなっているだけに、第8節の南昌戦は絶対に負けられない一戦となった。

南昌戦は深センのホームスタジアムで5月22日15時半にキックオフ。スタメンには前節までケガで戦列を離れていた巻誠一郎選手が復帰し、もう一人の日本人選手の楽山孝志選手と共に出場した。

試合開始前まで降り続いた大雨の影響でピッチは濡れ、試合序盤は転倒したり、滑る選手が続出。ボール回しもスムーズとはいかず、両チームとも決定的なチャンスを作れない。そうした中、最初にチャンスを掴んだのは南昌だった。深センDFのクリアミスを拾ったウルグアイのウェイラ選手がペナルティエリア内からシュート。しかし、これはゴールポスト脇をすり抜けて得点には至らなかった。

すると13分、深センがペナルティエリア内に放ったスローインが一度相手にクリアされたものの、そのクリアボールを深センの李洋選手がロングシュート。ボールは相手選手の足に当たって軌道が変わり、そのままゴールに吸い込まれるというラッキーな先制点で、深センがリードする展開に。

その後しばらくは深センが攻められる時間帯が続く。深センの攻撃はロングボールを前方に放り込む単調なプレーばかりで、前線の巻選手やクリス・キレン選手がボールをキープするものの、フォローする選手はほとんどなく、シュートまではなかなか持ち込めない。そして43分、そんな深センの攻撃をあざ笑うかのように南昌が反撃。左からのクロスを折り返され、ウェイラ選手に華麗なボレーシュートを決められてしまう。これで1-1の同点。深センにとっては嫌な時間帯での失点となってしまった。

後半に入ると、拮抗した状態が続く。巻選手は豊富な運動で何度か惜しいチャンスを作り出すもフィニッシュを決め切れず、結局、スコアが動いたのは72分のことだった。深センの羅希選手が放った強烈なミドルシュートをキーパーが弾き、そこに詰めていた黄風濤選手がこぼれ球を無人のゴールへ叩き込んだのだ。

結果としてこのゴールは深センの“初勝利弾”となり、試合後は監督のトルシエ氏はもちろん、全選手が興奮しながら初勝利を祝った。なお、この試合、巻選手と楽山選手はフル出場を果たしている。

深センはこれで勝ち点4となり、河南、南昌、江蘇を抜き13位に上昇。12位大連との勝ち点差は4あるため、いまだ最下位圏内という厳しい状況だが、今回の勝利はきっとチームに大きな自信をもたらしたことだろう。この勢いを持続して、日本のサッカーファンに明るいニュースを届け続けてもらいたいものだ。

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