“折り紙動画”で稼ぐ米大学生、歯医者になるか動画制作を取るか悩む。

2011/04/21 15:38 Written by Narinari.com編集部

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インターネットの普及と共に、その存在感を増してきた動画投稿サイト。膨大な数の動画をいつでも楽しめるだけでなく、注目された動画の投稿者が有名になる時代になった。ほかのメディアでも頻繁に取り上げられるようになり、視聴対象者は全世界に広がるとあって、広告業界からも熱い眼差しが送られている。そんな動画を生み出している1人が、先日、米国メディアに取り上げられた。25歳の歯科医大生というこの男性は、複雑な形の折り紙の解説動画を投稿して人気を集め、これまで7万ドル(約580万円)を稼ぐまでになっているという。

YouTubeには、「YouTubeパートナーブログラム」なる広告サービスがあり、一定の条件を満たした動画投稿者が申請すれば、その広告収入が投稿者へ支払われる仕組みになっている。米国では投稿者、広告業界双方から注目を集めており、米経済誌フォーブスではこのサービスの急成長ぶりを紹介。現在月に1,000ドル(約8万3,000円)を稼ぐ投稿者の数が、2010年初めに比べて「300%増加」としており、いま勢いのある宣伝媒体となっている状況だ。

米紙フィラデルフィア・インクワイラーによると、ペンシルバニア州ジャーマンタウンで暮らす、25歳のロブ・ホメイヨンさんもこのサービスを利用している1人。彼はフィラデルフィアにあるテンプル大学で歯科医学を学ぶ傍ら、2008年からYouTubeに自分の特技を活かした動画投稿を始めた。最初に彼が投稿したのは、ルービックキューブの解き方を示した動画。通常の1面3×3の物ではなく、彼は5×5や6×6などのより難易度の高いキューブの攻略法を、細かく丁寧に数本に分けてじっくり解説している。すると、これがいずれも数万回単位の再生回数を記録し、これで自信を付けた彼は2008年にYouTubeパートナープログラムに申し込んだ。

その後、ホメイヨンさんはルービックキューブだけでなく、複雑な折り紙の解説ビデオの制作を開始。手裏剣やバラ、ドラゴンなど難しそうな折り紙を、彼は最初から作り方を丁寧に説明するとこちらも再生回数が増え、多いものでは130万回近い回数を記録している。しかも、彼はこうした動画を頻繁に投稿し続けているため、今では彼のYouTubeチャンネルを登録している人も増大。4月20日現在で登録者数は6万6,000人以上、投稿動画の再生回数の合計は2,500万回以上を数える。

パートナープログラムを始めた当初は「月100ドル(約8,300円)」(フィラデルフィア・インクワイラー紙より)だった彼の収入は、定期的な投稿と人気によってうなぎ上りだったようだ。数字や桁はすぐに変わり、これまで7万ドルを稼ぎ出すまでになっているという。

ただ、今でもアパートの一室で動画を作り続けている彼は、人気と共に悩みも出来た様子。動画を待ち続けるユーザーが増えたおかげで、彼のもとには頻繁に「次はいつ出来るの?」との問い合わせがあり、中にはちょっと止まっただけで「死んじゃった?」と送って来る人もいるらしい。

そうしたプレッシャーもあって、「生活と学校、YouTubeの時間のバランスを取るのが本当に難しいんだ」と話すホメイヨンさん。学校を卒業した後、歯医者になるか動画制作を取るか未だに悩んでいるというが、「人々に求められているなら本職にしようかな」とも語っており、ユーザーへの自分の影響力に満足感もあるようだ。

最近はその影響力を使って、東日本大震災のチャリティーの一環として千羽鶴の折り方を紹介する動画も紹介している。現在では世界で週140億回も再生されるYouTube側もこのサービスに力を入れており、彼のように多くのユーザーが集まる「素晴らしい内容の動画」の投稿に期待しているという。

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