男性専門クリニックの広告は、一風変わったモノであることもしばしばだが、中国では先日、男性専門病院の巨大裸婦画を利用した広告が撤去されるという騒ぎが起きた。

中国紙深セン晩報などによると、この広告は病院の建物の数階分をすべて覆ってしまうような超巨大広告。しかし、物議を醸したのは単にこの広告が大きかったからではなく、広告に描かれていたのが裸婦画だったためだ。広告には髪をかきあげた裸婦の全身が描かれており、胸も下腹部も隠すことなく描かれている。

病院関係者の話によれば、この巨大裸婦画広告は病院の開業に合わせて用意されたもの。同時に院内には数百にも及ぶ裸婦画を展示し、客を集めようと考えたそうだ。そのため、裸婦画の横には文字で病院の開業を祝う言葉が記されるとともに、展示開催の文句もつづられていた。広告に裸婦画を選んだ理由としては「美しい裸を正視することで、健康に強い関心を持ってもらいたかった」としている。裸婦画はあくまでも芸術であり、猥褻ではないというのが病院側のスタンスだ。

とは言え、実際にこの巨大裸婦画広告を目にした人は、あまり良い印象を受けなかったようだ。ある人は「芸術作品をこんな広告に利用するのは良くない」と語り、またある人は「これではまるで風俗」と批判。また、同地を管轄する警察は裸婦画以前に「こうした巨大広告を掲載する際は事前許可が必要」と病院にクギを刺している。

なお、この男性専門病院が位置しているのは“油絵村”と呼ばれる芸術関連産業が特に発達したエリア。このエリアには各種芸術品を取り扱う店が集中するとともに、多くの絵描きが暮らしており、油絵や中国画、書道、彫刻などの作品や、各種画材を格安で仕入れられる人気のスポットだ。そのため、病院関係者は地元メディアに対して「油絵村の特徴を活かした広告を出したかっただけ」と釈明している。